まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:10:07.19 ID:33mytLdE0
黒森峰女学園学園艦の寮室で。この異常事態を前に、しかし西住まほはいつもの鉄面皮を崩さなかった。
まほ「仕方ない。私がみほの代わりに大洗に通おう。みほもそれでいいな?」
みほ「んー! んんー!」
対して、猿轡を噛み、手足をそれぞれ縛られたみほが首を横に振る。
まほ「心配しなくていい、お前のことは私が一番よく分かっているんだ。きちんとばれないようにするし……」
喋りながらも、まほは先ほどから行っている作業を続けていた。
妹と同じ程度の明るさになるよう染髪し、大洗の制服に着替える。胸にも少しさらしを巻いた。
さらに身長が高過ぎることに気づくと、自身の各関節に力を込める。ばきばきと何やら不穏な音がして、背が5センチほど縮んだ。
そうして鏡の代わりにみほの瞳を覗き込むと、そこにはもうひとりの"西住みほ"が写り込んでいた。
変装を完了したまほは出来栄えに満足してひとつ頷くと、先ほど自らの手で縛り上げたみほの頭を撫でる。
まほ「……お前が黒森峰に戻りたがってるのも分かってるからな? きちんと転校手続きをしてきてやる」
みほ「んんーーーー!?」
まほ「ははっ、そんなに感謝しなくてもいいぞ。お姉ちゃんとして当然のことをするまでだ」
言いながら、まほは巨大なトランクケースに自分の妹を詰め込んだ。縛られているみほはろくな抵抗も出来ずにしまわれてしまう。
防音性が異様に高いようで、ぱちりとロックを掛けるとうめき声すら聞こえない。
まほ「本当はこんなところに入れたくないんだが、ここに残しておくとエリカ辺りが見つけそうだしな」
まほ「奴のことだ。動けないみほを見つけたらまず間違いなくレイプする……おっと、これはエリカじゃなくても同じか。私の妹は世界一魅力的だからな?」
まほ「さ、すでにヘリは用意してある。学園艦が近くにあってよかった。大洗まで片道2時間だ」
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:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:10:57.99 ID:33mytLdE0
エリカ(た、大変なことを聞いてしまった……)
その時、逸見エリカはちょうど西住姉妹のいる部屋の前にいた。
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3
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:11:24.91 ID:33mytLdE0
エリカ「……」
問われて。
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4
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:11:50.10 ID:33mytLdE0
エリカ(それは、正しい。私の戦車道力は4000……隊長の戦車道力5000には届かない)
戦車道力の差――如実に表れる数値の差は、如何ともしがたい。
同じ回数だけ殴り合えば、まほよりエリカの方がダメージを負う。
以下略
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5
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:12:17.49 ID:33mytLdE0
まほ「そのPS、見るのは久しぶりだな。お前が一年にしてレギュラーを勝ち取った時以来か?」
エリカ「ええ。そして、今度はその子を貰い受けます」
まほ「お前は副隊長で、私は隊長だ。その意味をよく考えろ」
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6
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:12:43.43 ID:33mytLdE0
まほ「……やれ、小梅」
エリカ「なっ、がっ!?」
まほの呟きに反応して振り返るよりも早く、エリカの口に背後から枷が嵌められる。
以下略
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7
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:13:12.37 ID:33mytLdE0
2時間後。西住まほは大洗女子学園の校門をくぐっていた。手にはみほ入りのトランクがしっかりと握られている。
校庭ではアヒルさんチームがバレーをしていたり、風紀委員たちが何かのテントを建てようとしていたり、アリクイさんチームがスマホ片手にうろうろしていたりしていた。
この光景も、『西住みほ』にとっては今日で見納めになるわけだが。まほはふっ、と口元に薄い笑みを浮かべた。
以下略
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8
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:13:52.50 ID:33mytLdE0
次の瞬間、風紀委員が設営しようとしていたテントが吹き飛んだ。
まほ(この砲声――V突!?)
舞い上がった白幕の下から現れたのは、カバさんチーム操るV号突撃砲。マカロニ作戦ドライ。
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9
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:14:18.09 ID:33mytLdE0
杏「手荒でごめんねー、西住ちゃん――の、お姉さん」
まほ「……最初から、全て御見通しだったというわけか」
不敵な笑みを浮かべる角谷杏をまほが睨む。
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10
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:14:44.99 ID:33mytLdE0
杏「んー、だからさー。無理なんだって。西住ちゃんは転校届をださないし、こんな状況で私たちが受理すると思う?」
まほ「思わないが、なに、単純な話だろう?」
困ったように笑う角谷杏に対し、まほは無表情のままその論理を告げた。
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11
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:15:34.11 ID:33mytLdE0
瞬間、大洗学園艦が跳ねた。
浮遊感と共に、その場にいる全員の足が地を離れる。彼女たちの平衡感覚が、地面が跳ねあがったのだと告げていた。さながら、シーソーの片側に何かが飛び乗った様に。
もしもこの瞬間、全ての状況を俯瞰できる者がこの場にいたのなら、そのシーソーの力点が、まほの放ったジャケットであることを知っただろう。
以下略
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12
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:16:14.86 ID:33mytLdE0
角谷杏は口を開いた。何か、言葉を紡ごうとした。具体的に何を言うつもりだったのかは、本人にすら分からなかったが。
だが彼女の声帯が震えるよりも早く、角谷杏の前に立ちふさがる背中がある。
桃「それ以上の狼藉は控えて貰おうか」
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13
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:16:41.33 ID:33mytLdE0
えっぐえっぐという桃の嗚咽をBGMに、改めて大洗の面々と西住まほは対峙した。
いつもなら取り乱した桃に対し柚子が慰め役になるのだが、いまは緊急事態なので駄々をこね尽した子供の様に校庭に転がるままになっている。
まほ「交渉は決裂、か」
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14
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:17:10.85 ID:33mytLdE0
だが、まほの一撃が学園艦を穿つことはなかった。
まほ「っ!?」
止めざるを得なかった。振り下ろそうとした右腕に、みほが絡み付いている――昏倒させた筈の、みほが。
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15
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:17:46.22 ID:33mytLdE0
妹の戦車道力を再計測する為、まほは右目を細めた。そして、その事実を知る。
まほ「馬鹿な……」
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:18:29.34 ID:33mytLdE0
みほ「なら、受けてみて。私達の一撃は、必ずお姉ちゃんに届くから」
まほ「受けて立とう」
西住流に後退はない。まほは、妹の抵抗を受け入れるかのように両手を広げた。
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17
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:18:55.77 ID:33mytLdE0
まほ「エリカ……!」
エリカ「全く……不本意ですよ、隊長!」
逸見エリカ。アリクイさんチームが組んだ人馬を踏み台に、彼女は空中30mにまで跳躍していた。
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18
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:19:26.30 ID:33mytLdE0
―― 一週間後。大洗女子学園の校庭で。
両断された学園艦だが、アリクイさんチームと地下のムラカミなる人物がその筋力を以てして別れ行く左右の装甲を繋ぎ合わせ、即時沈没は免れた。
奇跡的に、あの騒動での死者は0。風紀委員と、大洗のヨハネスブルグの住人達が協力し合った結果である。
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19
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名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:20:43.10 ID:33mytLdE0
やがて、エリカは事前に打ち合わせていた路地に入った。そこには約束していた人物が予定通りに佇んでいる。
その人物も全身が包帯だらけだった。車椅子ではなく、松葉杖なのは最後の意地である。
車椅子に座るエリカを見て、松葉杖を突いた銀色の髪の少女は溜息をつき、
以下略
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20
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/08/31(金) 19:21:10.07 ID:33mytLdE0
終わりです。依頼して来ます
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