まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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16:名無しNIPPER[saga]
2018/08/31(金) 19:18:29.34 ID:33mytLdE0
みほ「なら、受けてみて。私達の一撃は、必ずお姉ちゃんに届くから」

まほ「受けて立とう」

 西住流に後退はない。まほは、妹の抵抗を受け入れるかのように両手を広げた。

 やがて、みほの戦車道力が臨界に達する。9万8千――まほの全力にはほど遠い数値。

まほ(覆すには、豆戦車で重戦車を倒すようなレベルの戦術が必要だが……)

 さて、みほはどう動くのか。

みほ「……行きます!」

 叫んで、みほは拳を地面に打ち付けた。

 圧力が熱エネルギーに変換され、校庭の土が砂に変じる。乾き、巻き上がった其れがまほの視界を奪った。

まほ「目潰しか……凡庸な手だ」

まほ「私が焦って、戦車道力を視覚や聴覚の強化に回すとでも思ったか?」

まほ「そんなことはしない。均等に防御に回しているだけで、お前の攻撃は全て防げるのだから……」

まほ「さあ、攻城戦だぞ。どう動く?」

 みほの返答は、シンプルで、愚かなものだった。

 目の前の土煙が裂け、拳を引き絞ったみほが飛び出してくる。真正面からのバンザイ・アタック。

まほ「馬鹿なことを……」

 まほは目をつぶって、愚妹の一撃を腹部に受けた。避ける必要はない。通じる戦術がないが故の悪あがき。

 ――そう、思っていた。

まほ「……どういうことだ!?」

 一撃を受けた腹部に痛痒はない――なさすぎる。赤子の指先ほどの力も感じない。

 右目を細め、みほの戦車道力を再計測。驚くべき数値が出た。

まほ「戦車道力、3……!? ゴミクズみたいな数値じゃないか!」

 桃ちゃん先輩の泣き声が更に大きくなった。

 さすがに哀れに思ったのかウサギさんチームの面々がその頭を恐る恐る撫る。完全にプライドを捨てた先輩が、後輩たちの手に頭を擦りつていた。

まほ(戦車道力を、みほから更に移動した? だが、みほ以上に戦術を練れる者など、大洗には……)

みほ「言った筈だよ、お姉ちゃん……"私達"の一撃だ、って」

 私達。その言葉は、何を指し示すものだったのか――

まほ「しまっ……!」

 空を見上げる。そこでは思い描いた通りの人物が、攻撃の準備を終えていた。


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