丹生谷「勇太をなんとしてでも独占したい!2」
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27: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 19:57:43.27 ID:YDitP8hM0
手を握った俺たちはつなぎ手を揺らし歩幅を合わせて少しだけ歩いて目的の場に向かう。
このイタリアンレストラン。外観のイタリア国旗ですぐに分かる。俺たちは目の前に立った。
スパゲッティやピザを代表するイタリアの国旗が入口横の壁を起点に斜め立てされている。
店の全身の内、下を茶と黒のレンガを基調に、上を清潔の白を基調に、俗店から離れた存在であることを示している。
そして俺達を照らす入口ドアの近くに1つ埋められ、
夜の高級ホテルのようなオレンジ色の小さな照明が貴族感を照らしている。
そして小さな俺の半身ぐらいの黒板が3枚立てられている。
イタリア語の内容で羅列された言葉の分からないメニューとチョークのパスタ絵と、
その他説明項カップル云々とあるが情報過多で耳に入らず、異文化の、それも高度な店であることを彷彿とさせる。
ドラマで知っている本物の彼氏彼女みたいじゃん!こんな場所行ってないー!
俺には突入する友達が、彼女がいる!しかもこの彼女は六花というポンコツオブポンコツと違い、
一般人の常識という名の知識を持っている。
何かへますれば普通は他の来店客に睨まれるまで気づかないんだが、その恥を難なくクリアできる!
デートの作法を学べるうえに新しい知識も入る、その敬虔なる偉大なお方が丹生谷森夏様だ!

丹生谷「どうここ富樫君?」
勇太「すごいんじゃない......か?」
怖い。俺なんかがこんな店入っていいのかよ!?こわいよこわいよ!
丹生谷「行こっ」ニコッ
丹生谷の動じないさっぱりとした顔を見ると俺の目が覚めた気がする。かっこいい......。つい見とれてしまった。
勇太「......。行こう」レバー引き

扉のぎいっとなる音、それに連られるベルのチャリンチャリンという音に、
またもや失敗するのが怖くて帰りたい気持ちになる。
だけどかっこ悪いところを見せるのも丹生谷に悪くて胸を張り、
「何名様ですか」と店員もいる後戻りできない状況まで俺を追い込んでいく。
勇太「2名で」
「カップルでございましょうか?」
カ......カップルうぅ!?!聞いてないよこんなの!え、なに?どうしよ!これなに?
嘘ついたらどうなるの?死刑??俺たちは「カップル」という定義に入っているのだろうか?
いやそれよりも周りの人高級そうだし!どうしよう!!
俺が返事に詰まると丹生谷が前に出て言った。
丹生谷「はいっ」ニコッ
「喫煙席と禁煙席がございますが」
丹生谷「禁煙席で」
案内しますと言われて、丹生谷の振り向いた笑顔と共に行かざるを得なかった。
この場所イタリアンレストランは外より暗いもののずいぶんお洒落でゴージャスだった。
オレンジ色の照明が幾多もの輝いてしかし陰には暗さを残すほどであり、
天井の白さもオレンジ色に染まる。まるで夜の気分だ。
「混んでいる関係上、端でいいでしょうか」と店員に言われ、
丹生谷は頼んでもないのに「ありがとうございます」と礼儀をして、
彼女の異なる一面を目撃し目が仰天した。店員にも言うなんてこいつ......。
ん?席がおかしいぞ。普通なら対面に座るはずなのにこの席は対面が窓で横は壁、横並びにイスが2つある!
目の前が窓で気晴らしのいい環境であるのは分かるが、まさか丹生谷と隣り合わせに座るのか!?
まさかラノベにありがちなラブラブがあったり!?いや、丹生谷だしないだろ。
だけど主導権を奪われていくのも悔しいので、俺が先に左の席に奥詰めて座った。
次いで丹生谷も右に座ると、この異変の説明をしてもらうべく抗議をした。ただし小声で。

勇太「(なんでこうなってるんだよ!)」
丹生谷「(知らないの?メニュー表にあったじゃん。カップル割引って)」
勇太「(それなに?バレたら追い出されるぞ!)」
丹生谷「(たぶんだけど、見栄えのいいカップルを集めてお店の集客に務めようとしているんじゃないの?)」
勇太「(でもバレたらどうするんだよ!)」
丹生谷「(頼むわよ!か れ し/// ふふっ///)」
勇太「(こいつ失敗したら責任押し付けるつもりなんだ......!)」


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