乃々「ふわふわ」日菜子「むふふ」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:16:27.49 ID:y0UYjy3Z0
(日菜子さんの絵、すごい……)

 その自由すぎるアートを見て乃々は居ても立ってもいられず、自分も何かを描きたくてしょうがないといった風でした。
 どうしたものかとウンウンうなっていると、気がついた日菜子が気を利かせたのか、道具を一式貸してくれました。
 どこから取り出したのかはやっぱりわかりませんが、乃々はもう気にしないことにしました。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:16:57.40 ID:y0UYjy3Z0
 乃々と日菜子、二人並んで絵を描きます。
 次から次へと描いてゆく日菜子とは反対に、乃々は全然筆が進みません。

 乃々には、確かに描きたいことがいっぱいあるはずなのに、それを体の外に出そうとするとどうしてもうまくいかないのです。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:17:23.78 ID:y0UYjy3Z0
「あ、そういえば乃々ちゃんは、絵描きさんではありますが詩人でもありましたねぇ〜。もしかして、文字のほうも試してみるといいかもしれません」

 乃々がしばらくあくせく絵を描いていると、日菜子がそのような提案をしてきました。

「そ、それはいい考えかも……。でも、絵筆とカンバスで、どうやって詩を書けば……?」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:17:54.68 ID:y0UYjy3Z0
 日菜子の云うとおり、確かに乃々にも同じことができました。
 乃々が描いた言葉の全ては音の粒子になって明滅し、青空から降り注ぐ黄金の光によって励起され、淡い燐光になって漂いました。
 溢れた文字はあたたかく、甘い香りのやさしい光子となって、乃々たちの居る夏雲に還ってきました。

 空と雲のカンバスが、乃々の心象スケッチの一頁になったのです。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:18:23.62 ID:y0UYjy3Z0
 乃々が青空に描いた詩も、日菜子のスケッチも、目が覚めたら全部消えてしまうと思うと、なんだかやるせなく、むなしいような気持ちになってしまい、乃々はぼんやりと立ち止まってしまいました。

「日菜子さん」

「なんですかぁ、乃々ちゃん♪」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:18:59.61 ID:y0UYjy3Z0
 青空はだんだんと西の方に去ってゆきます。
 遥か遠く、水平線より少し上に、煌々と燃える太陽が在りました。
 空に、大気に、雲にまでも赤く灯をともして、夜に向かって進みます。

 空のカンバスは秒ごとに色を変えていきます。
以下略 AAS



12: ◆/brfqxLTx.[sage saga]
2018/08/27(月) 22:20:22.99 ID:y0UYjy3Z0
私の幻燈はこれでおしまいであります。


喜多日菜子さんヴォイス実装おめでとうございます
森久保ォ誕生日おめでとう
以下略 AAS



13: ◆/brfqxLTx.[sage saga]
2018/08/27(月) 22:20:51.71 ID:y0UYjy3Z0
参考文献

宮沢賢治『やまなし』
宮沢賢治『春と修羅』
鷺沢文香『銀河図書館』
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2018/08/27(月) 23:01:37.83 ID:7BwJQTxno
良い短編だった



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