9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/27(月) 22:17:54.68 ID:y0UYjy3Z0
日菜子の云うとおり、確かに乃々にも同じことができました。
乃々が描いた言葉の全ては音の粒子になって明滅し、青空から降り注ぐ黄金の光によって励起され、淡い燐光になって漂いました。
溢れた文字はあたたかく、甘い香りのやさしい光子となって、乃々たちの居る夏雲に還ってきました。
空と雲のカンバスが、乃々の心象スケッチの一頁になったのです。
「すごいすごい! 乃々ちゃん、すごいですよぉ!」
日菜子は興奮して、ぶんぶんと腕を振り回しています。
乃々もなんだか楽しくなって、何べんも繰り返しました。
そうしているうちに、ずっとこのままこの瞬間が続けばいいのになんて考えて、乃々は笑いました。
そして同じ頃、この光景が全部儚い夢だということも全部悟ってしまいました。
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