84:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 00:48:38.86 ID:+K74wEm20
彼女…黒澤ダイヤには誤算が二つ有った
ナイフの射出と最大火力での焼却、その二つをもって悪霊を倒す際、黒馬も巻き込むことが出来ず、取り逃がしてしまったこと
85:名無しNIPPER[saga]
2018/08/17(金) 00:50:18.83 ID:+K74wEm20
「ゴアァァァァァッ…!!!!!」
唸るような、吠えたてる様な咆哮と共に黒馬がその口元から勢いよく地面に向けて何かを吐き出す
86:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 00:51:01.91 ID:+K74wEm20
ダイヤ「……」
ルビィ「エオが…エオが……あんな………!!」
ダイヤ「…私が、差し違えてでも止めてきます」
87:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 00:51:40.04 ID:+K74wEm20
ダイヤ「(とは言え私の力も後僅か……こちらの戦力が伴わない今遠巻きに狙って消耗するのは下策、相打ち覚悟でも一撃で鎮めるべき…)」
ダイヤ「(ばら撒いてしまいましたから…残る短剣は手元にある予備の一本だけ……)」
88:名無しNIPPER[saga]
2018/08/17(金) 00:52:56.84 ID:+K74wEm20
「ボァァァァァァ!!!!!」
ダイヤ「彷徨える霊馬よ!!覚悟なさい!!」
89:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 00:54:47.87 ID:+K74wEm20
「ァァ…………アァァ……」
90:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 00:58:17.03 ID:+K74wEm20
ダイヤ「(差し違えることも出来ず……ここまで、ですか…)」
91:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 00:59:38.48 ID:+K74wEm20
ダイヤ「ルビィ…!?あなた何を!?」
ルビィ「ルビィに力は殆ど残ってないけど…こうして口から…体の中を直接掴めば…っ…少しは…力が通るからっ!」
92:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:04:24.34 ID:+K74wEm20
ダイヤ「…分かったわ、ルビィ」
力の過剰行使で手の感覚が潰れて来ている。それでも痺れた掌に力を込め、短剣を深く、深く突き立てる
93:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:06:10.77 ID:+K74wEm20
「ァォ…!……ァ………!……」
「……………………」
94:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:07:18.10 ID:+K74wEm20
ルビィ「こんなに血が出てたら…もう絶対助からない、自分の事だから分かるよ…」
ダイヤ「し、しかし……!」
95:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:08:11.34 ID:+K74wEm20
ルビィ「ルビィね…ずっと怖かったの、悪霊さんだからって、直接じゃないからって…魂をずっと壊し続けるの…なんだか人殺しみたいで、怖かった」
ルビィ「でも、やらなくちゃいけないことだった…お姉ちゃんが教えてくれた」
96:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:08:51.85 ID:+K74wEm20
結局の所、どれも私の甘さが引き起こしたのかもしれません
事の重大さを察知し、もっと早く手を打たなかったこと
97:名無しNIPPER[saga]
2018/08/17(金) 01:09:32.23 ID:+K74wEm20
ルビィは死ぬ間際もその様相とは裏腹に、辛い顔を一切見せず静かに息を引き取りました
最後まで、私に気を使ったのでしょうか、今となっては知る術もありません
98:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:10:27.55 ID:+K74wEm20
しばらくすると、ルビィの胸から何かが、競り上がる様に出てきました
ばくり、ばくり。ゆっくりと鼓動するかのように大きくなりながら“それ”は真紅の宝石の形となって姿を現しました
99:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:12:14.93 ID:+K74wEm20
ダイヤ「………結局私は最後まで、あの子の事を何も分かって…いませんでしたね」
私は、少しの間の後、躊躇することなくその魂を包む様に手の内に収めます
100:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:13:19.78 ID:+K74wEm20
行く当てのない私達はどこへ行くのでしょうか?
まるでその綺麗な物が、綺麗でなくなる前に壊してしまおう
汚れてしまう前に、この世から消してしまいたい
101:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:14:53.68 ID:+K74wEm20
手に残った粉々になった破片はまるで水が蒸発するかのように、跡形もなく姿を消しました
ふと、周りを見渡すと知らぬ間にかなりの時間が経っていたのか、辺りは薄暗く、電信柱の作る影も色濃く、港町を覆います
既に山の奥を覗けば真っ暗で、数歩行った先も見渡せないような漆黒に木々の間が塗り潰されていました
102:名無しNIPPER
2018/08/17(金) 01:15:36.19 ID:+K74wEm20
おわり
103:名無しNIPPER[sage]
2018/08/17(金) 02:15:46.89 ID:tjR8hgzY0
otu
104:名無しNIPPER[sage]
2018/08/17(金) 22:47:43.48 ID:ADN911pbO
見覚えあるスレタイだけどどっかの建て直し?
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