智絵里「うさぎさんにチョップしたらタイムスリップしてしまいました」
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7: ◆vNoifR2vNc[saga]
2018/08/15(水) 11:32:44.76 ID:2c4OR7u90


香苗「さぁ、着いたわよ!」


香苗さんが地面にパトカーを止めると、目の前の家を指しました。

その家は、あまり現代と変わらない佇まいでしたが……表札には、プロデューサーさんの名字が書かれていました。

ちなみにうさぎさんは、車のエアコンをかけたままとりあえず置いていくことにしました。この時代では、そういうことをしても危なくないようにできている、そうです。


智絵里「ここ、プロデューサーさんの家……ですか?」


少し不思議に思ったわたしは香苗さんに問いかけます。が、香苗さんは、


香苗「まぁ、行ってみればわかるわよ」


と、いたずらっぽく笑うだけではっきりとは答えてくれず。

そのままインターフォンを鳴らしました。


???「どちらさま……でしょうか……?」

香苗「……すみません、警察のものですが。このお家の人にお話を聞きたくてね。どなたか出てきてもらえるかしら?」


出たのは、女の子のような声。どこか、わたしの声に似ている気がしました。

香苗さんは、丁寧なような、そうでもないような感じで話しかけていきます。……というか、正直怪しさ全開なような……


???「……少々、お待ちください。いま、出ますね……」


インターフォンにカメラが付いていたのが幸いしたのでしょう。しばらく遠くで相談するような声が聞こえましたが、無事に応じてくれました。

とてとてと足音が聞こえたあと出てきたのは、わたしより少し年下に見える、小さな女の子でした。


わたし、に、そっくりの――


女の子「こ、こんにちは……いま、わたしと美琴ちゃんしかいないんですけど……それでも大丈夫ですか……?」


固まって声が出ないわたしの代わりに、香苗さんが答えました。


香苗「大丈夫よ。こんにちは、お嬢さん。聞きたいことっていうのはね……このお家の人で、ちえり、という名前の人はいるかしら?」

女の子「はい……それは、おばあちゃんの名前だったと思います……会ったことは、ないですけど……」


ドアから半分だけ体を見せている女の子は、おどおどとした様子で答えました。

香苗さんがわたしを指しながら続けて問いかけます。


香苗「……そう。じゃあ、このお姉さんが、智絵里って名前なんだけど、何か知らないかしら?」

女の子「……おばあちゃんと、同じ名前……。おかあさんにも、少し似てる……。美琴ちゃん、これって……」


女の子は、目を少し見開きながら振り返り、後ろの誰かに相談しているようです。


女の子「……うん、わかった。……あっ、ごめんなさい。どうぞ、入ってください……こちらです」


女の子は、ゆっくりとドアを開け、私たちはそれについていきます。

家の中は、来たこともないのにどこか懐かしいような、そんな気がしました。




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