智絵里「うさぎさんにチョップしたらタイムスリップしてしまいました」
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6: ◆vNoifR2vNc[saga]
2018/08/15(水) 11:29:04.62 ID:2c4OR7u90


香苗「とりあえず、この時代の貴女の家族に会ってみれば解決すると思うわ。だって、50年もあれば、貴女は誰かに話しているでしょうから。対策を知っているはずよ」

智絵里「確かに、そうですね……。でも、どうやって……?」

香苗「そこで、あたしの出番。あたしがおばあ様に連絡をしてあげるわ。貴女の、は分からないかもしれないけど、当時のプロデューサーさんの居所くらいはわかるかもしれない」

智絵里「早苗さんに……!わたしも、話してみてもいいですかっ?」

香苗「……それは、やめておいたほうがいいかもしれないわ。あんまり過去の貴女を知っている人物に会うと、少し変な影響が出てしまう可能性があるから」


……未来の人と話すってどんな感じなんでしょう。単純な興味からでしたが、あっさり却下されてしまうとちょっと残念です。

ただ、香苗さんの話した方針は納得できるものでした。


香苗「全部終わってうまくいきそうだったら電話くらいしてあげるわよ!あたしも、50年前のおばあ様と今のおばあ様がどう違うか聞いてみたいしね。まあ、何も変わっていないと思うんだけど…ね」

智絵里「はい、じゃあ、楽しみにしてますっ」

香苗「よろしい。じゃあ、一本電話させてもらうわね」


香苗さんは、満足そうにうなずくと……わたしから少し離れた場所で電話を始めました。

程なくして、香苗さんが戻ってくると……その言葉は、意外なものでした。


香苗「わかったわ。プロデューサーさんの家もそうだけど……貴女の家がね」

智絵里「えぇと……どっちに行ったらいいんでしょう」

香苗「どっちでもいいわよ。結局同じだから」

智絵里「だめだったら、その時考えればいい…ですよねっ」

香苗「……そうよ。じゃあ行きましょう!助手席、乗って!」


香苗さんが指し示した先には、パトカーのような乗り物があります。

ドアの仕組みは現代と同じようで、ノブを引くと普通にドアは開きました。

香苗さんはエンジンを入れると、なんだかガラが悪くなったような目つきになりながら宣言します。


香苗「飛ばすわよ!しっかりつかまって口閉じてなさいよ…!!」

智絵里「…………っ!?」


そして、エンジンはゴオオオ、と大きな音を立て。――私たちの乗った車は、文字どおり<飛んで>いました。

口を閉じていろ、とはこれに備えろということだったのでしょう。ともあれわたしは声を出すこともできず、目を丸くすることしかできません。


香苗「……あ。貴女の時代、車はまだ地面を走っていたのかしら。申し訳ないわね、説明もしていなくて」

智絵里「……ぷは、はぁ……、そうです、空を飛ぶなんて……こんなの初めてですっ」


飛行が安定したのか、もう声を出しても大丈夫そうです。まるでうっかり忘れ物をしてしまったくらいの雰囲気で香苗さんは言います。

でも、初めての事象の前に、わたしは。不思議とわくわくする気持ちを抑えられませんでした。


香苗「……ふぅん。度胸、あるのね……そりゃそうか、アイドルだものね」


普通初めての時は空が怖いとか思うものよ、と付け足した香苗さんは、何か嬉しそうな表情になって相変わらずのフルスロットル運転を続けていました。




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