20: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 00:47:44.81 ID:nCh+XXic0
杉山「あーそうだよな心配かけてごめんな、ちゃんと勉強するからさ」
大野「思ってねぇだろ、杉山」
杉山「…何」
21: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 01:11:48.20 ID:nCh+XXic0
話しかけてもどこかいつも上の空でいるようになった。
どこか俺じゃなくて遠くを見つめるようになった。
時々泣き出しそうな瞳でいるところを見つけるようになった。
そんで、ついに好きな人が出来たから別れたいと、涙を頬に一筋落とした。
22: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 01:43:38.84 ID:nCh+XXic0
残暑が掻き消えて、秋が深まった。
夏休みにもっとやっておけばよかったという後悔がつのっていく。
だがそんな後悔をしている暇すらない。
俺は大野に大分差を取られていて、それを埋めることが全くできていなかった。
23:名無しNIPPER[sage]
2018/08/04(土) 14:56:35.77 ID:hfSV+tl/O
悲報
クソまとめサイトあやめ速報、あやめ2nd
創作活動への冒涜続行
24: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 19:30:14.55 ID:nCh+XXic0
大野という男はとにかく死角がない男だ。
才能にあふれていたし、顔もスタイルも良い。
運動神経も抜群で正義感が強く、それでいて謙虚だし親しみやすい面も持ち合わせていた。
「さとし、頑張ってきてね。」
25: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 23:31:22.22 ID:nCh+XXic0
なかった。
切符で改札を通ってホームに出ると、真っ白い空から雪が落ちてくるのがみえる。
ちょうど電車が出ていったところだった。
26: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/04(土) 23:44:22.57 ID:nCh+XXic0
テスト後、大野はスッキリとした顔立ちだった。
やり切ったに違いない。
俺も、うっすら笑いを浮かべていた。
27: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 15:02:55.63 ID:g6GaQPCv0
>>26 抜けてた
試験から四日後、ずらりと並んだ受験番号のであるはずなない番号を目で探す。
落ちた、そう静かに呟いた俺に大野は背を向ける。
28: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 17:56:03.64 ID:g6GaQPCv0
信じられない
なんで?
滑り止めの高校なんてめちゃめちゃ遠いし
29: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 17:56:32.19 ID:g6GaQPCv0
帰ろうぜ、と掠れた声で呟いた大野についていこうとしたら、後ろから不意に名前を呼ばれた。
振り返ると数人の女子がいる。
「あの…ボタン、残ってますか?」
30: ◆wIGwbeMIJg
2018/08/05(日) 23:07:46.94 ID:g6GaQPCv0
「あの…第二ボタン、あげる子いますか?」
中央にいた女子にそう恐る恐る見上げられる。
一瞬喉に呼吸が詰まる。
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