7: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:49:44.54 ID:Ai+XpKnp0
彼女が黙っていると、周囲が場を繋いだ。
「瑞樹さんならイケますよ」
「スモックとか似合いそう」
8: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:50:27.69 ID:Ai+XpKnp0
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川島瑞樹は、初めて346プロダクションに足を踏み入れた。
ヨーロッパの豪奢な古城を模した外観。内部は現代風にアレンジされている。
9: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:52:15.09 ID:Ai+XpKnp0
そっともう1人の男に視線を動かすと、相手はゆったりと微笑んだ。
歳は25歳前後。瑞樹よりも少し若いくらいだろうか。
顔立ちに特に目立ったところはないが、清潔感があり、瑞樹は好感を持った。
10: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:53:12.59 ID:Ai+XpKnp0
スライドショーが動き始める。
期間は来年の夏までの、9ヶ月。
はじめの4ヶ月で基礎的な技術を修得し、5ヶ月から大規模な活動を展開。
そして最後の9ヶ月目に、生放送でコンサートを行って活動終了。
11: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:54:21.39 ID:Ai+XpKnp0
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「で、これが記念すべき第一歩……そういうわけね」
「人類にとっては偉大な一歩になりますよ」
12: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:55:19.29 ID:Ai+XpKnp0
瑞樹は更衣室で、これから着ることになる水着をつまみ上げた。
神様。いるなら聞いてほしい。
あなた頭がおかしいわ。
13: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:56:10.35 ID:Ai+XpKnp0
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しばらくして、撮影スタジオに瑞樹がやってきた。
プロデューサーも撮影陣も、この場にいる全員の男、女も息を呑んだ。
水着で覆われているが、瑞樹のプロポーションは隠されてない。
14: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:57:08.89 ID:Ai+XpKnp0
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写真集が刷り上がるまで、1ヶ月ほどかかる。
その前に、基礎レッスンが始まった。
15: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:57:59.38 ID:Ai+XpKnp0
休憩中、片桐早苗がレッスンルームにやってきた。
「ちわ〜、早苗屋でーす」
「あらサブちゃん。今日は土曜日よ」
16: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:58:47.64 ID:Ai+XpKnp0
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レッスンに身体が慣れてきた頃、写真集が完成し、発売された。
ゲラ刷りの段階で瑞樹は目を通していたが、いざ実物が完成すると、なんとも言えない気持ちになった。
17: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 00:59:23.48 ID:Ai+XpKnp0
夜の銀座駅には浮かれる若者はおらず、静かに賑わっていた。
早苗は、肩パッドで上半身がやたら大きく見える、赤いトレンチコートを羽織っていた。
中は白いセーターで、下は膝までの長さのスカート。
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