42: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 19:54:32.77 ID:zstzB+O7O
果南「それはないよ。少なくともあの頃の私は全身全霊を懸けていた」
曜「だったら──」
果南「今はもう、それだけの価値を見出だせない」
43: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 19:55:42.57 ID:zstzB+O7O
果南「わかってる。少しからかっただけだよ」ニコッ
曜「果南ちゃんのイジワルー。私にとって果南ちゃんだって、大切な幼なじみなんだから」ムッスー
果南「でも千歌のために水泳部辞めたんでしょ。私のためにそこまではしないよね?」
44: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 19:56:44.69 ID:zstzB+O7O
果南「何か一つのことに拘り続けられるってのは凄いことだと思う。そういう点で私は曜を尊敬してる」
曜「果南ちゃん……ありがと」
梨子(ちっちゃい頃から飛び込み続けてきたんだよね、曜ちゃんって。凄いよね)
45: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 19:57:45.89 ID:zstzB+O7O
ガサッ
果南「誰かいるの?」ギロッ
梨子(気付かれたっ!?)
46: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 19:58:47.49 ID:zstzB+O7O
梨子「その頃に千歌ちゃんや曜ちゃんには話したりしなかったんですか?」
果南「高校と中学だからね」
梨子「あっ、そうでしたね」
47: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:00:03.89 ID:zstzB+O7O
果南「普通怪獣ねぇ、未だにそんなこと言ってるんだ」ハァ
梨子「果南さんにも話してたんですね、その件」
果南「あの曜と比べられたら千歌でなくてもね」
48: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:01:07.11 ID:zstzB+O7O
果南「だね。ただ千歌の場合、周りに曜と比べて馬鹿にする奴がいたのさ。『曜は何でも凄い。それに引き換え千歌はそうでもない』とか、『何でも途中で投げ出す口先三寸女』だとかね」
梨子「ああ……ありそうですね」
梨子(ネット上ならともかく、リアルで連日そんな言葉浴びせ続けられたらキツいかも)
49: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:02:27.27 ID:zstzB+O7O
果南「趣味と同じだよ。自分に余裕があるからこそやれるってのは」
梨子「それはわかります。でもこういう考え方もあるんじゃないですか?」
果南「どういう?」
50: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:03:29.97 ID:zstzB+O7O
梨子「では失礼します」
果南「うん。最後にちょっと頼み事があるんだけどいいかな?」
梨子「頼み事? 何ですか?」
51: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:04:21.98 ID:zstzB+O7O
晩、ベランダ
千歌「いやー、0から再スタートするって決めたはいいけど、0どころかマイナスからかもねー」ニコッ
梨子「マイナスから? どうして?」
52: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:05:24.01 ID:zstzB+O7O
千歌「まあ一応。ゴスロリとか需要あるかなー? って」
梨子「でしょ。こっちの心情も知らないで『調子に乗ってる』なんて失礼しちゃう!」プンスコ
千歌「梨子ちゃん……ありがとね」ニコッ
53: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:06:25.42 ID:zstzB+O7O
梨子「それもそうね。なれるかはともかく、そういう気持ちで臨まなくちゃね」
千歌「なれるのっ! 絶対にっ!」クワッ
梨子「ふふっ、言霊の力ってのもあるしね。私だって気持ちは同じだよ、一番を掴みたいってのは」
54: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:07:27.99 ID:zstzB+O7O
千歌「目に見える結果を出してかなくちゃね。口先だけなら見放されるんだから」
梨子(未だに抱えてるんだね、「口先三寸女」って馬鹿にされてきたこと)
梨子「ところでさ、千歌ちゃんに一つ質問していい?」
55: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:08:24.86 ID:zstzB+O7O
梨子「どうも。でも往々にして相手のことがよくわかってないから『アイツはこういう奴なんだ』って決め付けてることもあるよね」
千歌「ネットとかならね、まだスルーもできるし。……でもわたしの場合、そうじゃなかったから」
梨子(千歌ちゃんの普通コンプレックス、想像以上に根が深かったのね)
56: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:09:26.01 ID:zstzB+O7O
梨子「じゃあ改めて悪意と無関心なら、どっちが嫌?」
千歌「そりゃどっちも嫌だけど……今は無関心かな」
梨子「そっか。理由とか教えてくれる?」
57: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:10:24.27 ID:zstzB+O7O
梨子「そんなことないっての!」
千歌「どうしてそう言い切れるの?」ムスッ
梨子「投票システムの都合上、一人一票しか入れられないんだから。きっと私達のパフォーマンスを見て、何か感じた人はいるよ」
58: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:11:30.73 ID:zstzB+O7O
千歌「いや、弱音ばっかり吐いてるわたしが悪いんだから。わたしに取り憑くネガティブホロウめー、除霊してくれるー! きえーいっ!」ブンブン
梨子「ペ○ーナ!? でもそういう気持ちまで0にする必要はないと思うよ。昔の曲に『涙の数だけ強くなれるよ』って歌詞もあるくらいだし」
千歌「なんか素敵なフレーズだね。今度その曲も聴いてみたいな」
59: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:12:27.51 ID:zstzB+O7O
梨子「とにかく千歌ちゃんは見るもの全てに怯えなくていいんだからね。『嫌われたら』とか『見放されたら』とかいちいち気にしてたら、結局何もできなくなっちゃうから」
千歌「うん、だよね。明日からまた練習、頑張ってこう!」
梨子「うんっ!」
60: ◆ZHduIyUZNo[sage]
2018/07/30(月) 20:13:19.52 ID:zstzB+O7O
梨子「もし千歌ちゃんがお化けになったとしても、私が絶対気付いてあげるからね」
千歌「梨子ちゃん……ありがとねっ。……ううん、待てよ?」
梨子「どうしたの?」
61:名無しNIPPER[sage]
2018/07/30(月) 21:14:07.23 ID:YK9/8MBZO
1期8〜9話の間の話かな?
乙
62:名無しNIPPER
2018/08/02(木) 01:06:22.52 ID:8/nJJlqd0
おつおつ
マザーテレサの好きの反対は無関心って言葉思い出したわ
62Res/50.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20