21:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:32:34.98 ID:YwSoJMOz0
和と優希は昔の先輩やら友達やらがインハイに来ているらしいし、まこには来年のために人脈を広げてもらいたい。咲には須賀くんをつけようかな。ええっと、あと言っておくことは……。
「うん、こんなものね。皆からは何かある?」
「ああ、そうじゃ。さっきの買いもん精算今でもいいかのう」
22:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:34:19.59 ID:YwSoJMOz0
「ほいじゃあ、行ってくるわ」
「ストップ、まこ!」
「なんじゃあ?」
23:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:56:46.34 ID:YwSoJMOz0
undefined
24:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:57:41.17 ID:YwSoJMOz0
頑固な和のわりには、案外あっさり引いてくれた。
こういうときは先輩って立ち位置は便利だ。一年早く生まれだけで相手より偉くなれる。あと10年も経てばそんなもの何の意味も無くなるというのに。
「ということだから咲、お願いしていい?」
25:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:59:37.51 ID:YwSoJMOz0
足がかかった相手に頭を下げ、咲が扉に向かっていく。その後ろ姿が見えなくなるのを見届けて、まこが話を切り出してきた。
「それで?」
「ああ、さっきの買い物の値段なら覚えてるわよ。今渡しちゃうわね」
26:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:03:53.62 ID:YwSoJMOz0
つまり今回の私の企み、もとい算段はこうだ。
宮永照のインタビューが終わる辺りに咲にも出歩かせる。
宮永姉妹の噂に名高い迷子スキルなら部屋を出る時間が多少ずれようとも接触の可能性はある。
可能性があるなら、私の特性でその可能性を上げる。
27:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:05:27.36 ID:YwSoJMOz0
つまり今回の私の企み、もとい算段はこうだ。
宮永照のインタビューが終わる辺りに咲にも出歩かせる。
宮永姉妹の噂に名高い迷子スキルなら部屋を出る時間が多少ずれようとも接触の可能性はある。
可能性があるなら、私の特性でその可能性を上げる。
28:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:06:47.19 ID:YwSoJMOz0
そんな思考に耽っていると、ふいに腰のあたりに小刻みな震えを感じた。
携帯電話を取り出す。表示されている名前は「竹井久」、咲に貸している端末からだ。
「はい、もしもし」
29:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:09:03.17 ID:YwSoJMOz0
「咲ちゃんからか?」
「うん、迷子だって」
「またですか……」
30:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:09:55.49 ID:YwSoJMOz0
『宮永照菓子狂い説』なんてのが一部で囁かれていたりする。過去に何度か「品行方正に見えるチャンピオンですが、何か意外な欠点とかは?」と訊かれた弘世さんが「焼き芋屋の匂いに釣られていつの間にか消えていた」とか「虎姫でお菓子パーティなんてのを開いたときに、照が設けた虎仕様というドレスコードを自分で忘れていて危うく不参加になるところだった」とか述べたのが火種らしい。
流石に二つ目の話は脚色アリだろうけど、この数日インハイで得た情報や咲の話から私は、どうやらそのお菓子好きは本当らしいと思っていた。
「咲のところにはやっぱり私が行く。その代わり、一つお願いしたいことがあるの」
31:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:13:18.87 ID:YwSoJMOz0
-1階・インフォメーションカウンター付近-
まこ達のところを離れて五分ほどで約束の場所に着く。そこにはオロオロと周りを見渡す少女が立っていた。決して低くはない体躯のわりに小動物然として見えるのはその挙動のせいなんだろう。見まごうわけもない、咲だ。
「おまたせ、咲」
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