28:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 16:06:47.19 ID:YwSoJMOz0
そんな思考に耽っていると、ふいに腰のあたりに小刻みな震えを感じた。
携帯電話を取り出す。表示されている名前は「竹井久」、咲に貸している端末からだ。
「はい、もしもし」
『部長、あの、ここどこなんでさしょうか……』
期待を裏切らない第一声ね、さすが咲。電話越しにここがどこかなんて言われてもわかるわけは無いけれど、お陰さまでこちらも迷子の対応は百戦錬磨だ。
「落ち着いて咲、周りになにか目印になるものは?」
『いえ、普通の廊下で特には……』
「今何階にいるの?」
『二階……だと思います』
「そう、周りに人はいる?」
『人ですか? はい、何人か』
「じゃあ人の流れるほうについていって、そしたら多少わかりやすい場所に出るから。係員を見かけたらエントランスのカウンターに案内してもらって。私もそこに行くから」
『はい、わかりました……』
「うん、じゃあ切るわね」
終了ボタンをタップし、スマホをしまうと、通話を聞いていたのか一年生三人がこちらに視線を向けていた。
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