21:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 15:32:34.98 ID:YwSoJMOz0
和と優希は昔の先輩やら友達やらがインハイに来ているらしいし、まこには来年のために人脈を広げてもらいたい。咲には須賀くんをつけようかな。ええっと、あと言っておくことは……。
「うん、こんなものね。皆からは何かある?」
「ああ、そうじゃ。さっきの買いもん精算今でもいいかのう」
「さっきの?ああコンビニのね、大丈夫よ」
そうだ、さっきはほとんど文無し常態でまこに立て替えてもらったんだった。領収書で膨れ上がった財布に騙されてしまった。
「……む?」
鞄を漁っていたまこが怪訝そうな声を出した。
「どうかしたの?」
「いやぁ、鞄にいれてあった折り畳み傘が見当たらんくてのう」
「えっ」
どこかで落としたのかしら。買い出しに行くときは雨が降っていた。少なくともコンビニでは傘は持っていたのは分かるが、幸か不幸か戻ってくる途中で雨が止んでいた。帰り道のどこかで無くしたなら探すのは一苦労ね。
「どこかに落としたとかですか?」
「いや、忘れてきた場所はたぶんわかっとるんじゃが……違ったら面倒じゃのう」
「目星ついてるんですね、なら俺取ってきましょうか?」
須賀くんがすかさず立ち上がる。雑用が板についてきたわね。なんて、私の言えた義理じゃないけど。
「お、ええんか? すまんのう京太郎」
「いえ、それで忘れてきた場所って」
「トイレじゃ、一階の入り口近くのとこの」
「えっ」
須賀くんの顔が強張る。まこも意外と意地が悪い。
「冗談じゃ、自分で行くからあんたは座っとりんしゃい」
「はーい……」
一階のトイレっていうと、買い出しのときにまこと別れたあのときかしら。地味に遠い、咲だと二回に一回は迷子になりそうだ。
……! 閃いた。
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