129: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:55:10.16 ID:MeNYOwih0
2017年12月8日。金曜日。
働きづめである。
いつからかと言えば少なくとも1週間以上休みがなく、どうやら最後の休みは例の5連休らしかった。
10連勤か、なるほどなあ。
130: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:57:00.13 ID:MeNYOwih0
仕事が忙しい(忙しいという概念で済まされるのか)なか、動画の投稿も続けていた。
初めはゲーム実況が良いかとアンチョビと話したのだが、動画編集の難易度が高く、漫画や小説の紹介に切り替えた。
昼のうちにアンチョビが動画を撮影しておき、2日に一度、俺が家に帰った時に2日分まとめて編集を行った。
131: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 22:58:37.21 ID:MeNYOwih0
今日は、12月8日。つまり明日は12月9日だ。
移動中も飯を食っている間も仕事とアンチョビ(の動画)のことを考えていたのであまり意識していなかったのだが、今日はガルパン最終章第1話公開前日である。
そういえば2日前だったか、舞台挨拶回のチケットが二人分当選していたのを思い出した。
「戸庭、明日は映画に行けそうか?」
132: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:00:29.16 ID:MeNYOwih0
2017年12月9日。土曜日。
飯を食うと嘘をつき会社を出て、俺は山手線で池袋へと向かった。
映画館のホールではすでにチケットを手にしたアンチョビが待っていて、俺を見つけると笑顔で手を振った。
133: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:02:20.93 ID:MeNYOwih0
電車がギリギリだったので走ってきたのと、あまり体調が芳しくないのとで、コンディションは最悪である。
万全な状態で臨めないのは残念だが、映画と舞台挨拶を観られるのは素直に楽しみだった。
やがて、舞台挨拶と、映画の上映が始まった。
134: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:04:51.33 ID:MeNYOwih0
2017年12月10日。日曜日。
約束の時刻は13時ジャスト。
アンチョビと共に荻窪にあるガルパン制作会社へ向かうこととなっていた。
135: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:06:19.90 ID:MeNYOwih0
「あぁ、どうも。すぐにわかりましたよ」
案内された部屋には会社の代表が待っていた。
Blu-rayのコメンタリーで耳にした声だ。
136: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:08:11.96 ID:MeNYOwih0
やがてアンチョビが語り終えると、目の前の彼女の存在が信じられないのだろう、彼は頭を抱えて呟いた。
「これでも立ち上げの頃からガルパンには関わってるから、裏側は全部知ってるんだけどね」
「おーっ! それは助かる! ガルパンってどうやって生まれたんだっ!?」
137: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:09:49.23 ID:MeNYOwih0
「……悪いけど、別世界からやってきたガルパンのキャラクターから着想を得たわけでもないし、画面の中からキャラクターが表れるなんて話聞いた覚えもない。期待には応えられないね」
アンチョビが息を詰まらせる。
目を僅かに大きくし、返す言葉が見つからないようだ。
138: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:13:29.90 ID:MeNYOwih0
2017年12月14日。木曜日。
リリース日だ。
当然のようにシステムには未完成の機能が残っているが、そんなものは後から対応してどうにかすれば良いのだふはは。
139: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/07/17(火) 23:15:33.19 ID:MeNYOwih0
禅僧のような精神で黙々と取り組んでいると、14時を前にしてリーダーが「一旦チケット投げるのやめろ!」と叫んだ。
スタッフ全員の視線を集めると、リーダーは「おらおらいくぜえ!」と本番環境へのデータのアップロードを行う。
そうして目標としていたリリースは終わったわけだが、まだ出来ていない機能すらある状態だ。
作業をストップするわけにはいかない。
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