23:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:00:38.01 ID:TXxgAIfuO
息詰まったような声が、セイラムののどから漏れました。
「お前、いつから」と言ったのは神父様です。
「……つい、さきほど。あの」
いったい何の話をと、形の上だけでも、私は訊ねようとしました。しかし、私の頭にそっと添えられたセイラムの手に言葉を遮られ、おそるおそる彼女の様子を伺うと、その顔が苦く笑っていました。
短い呼吸のあと、彼女は「ごめんね」と言いました。それだけですべてを察せたような気持ちになりました。
「隠してて、ごめん。あとでちゃんと説明するから、夜までは待ってくれる?」
「セイラム!」
「仕方ないでしょう。もうある程度察されてますって。それに」
いさめようとした神父様をいなして、彼女は私の髪を撫でました。
「――どのみち、じきに打ち明ける予定だったじゃないですか。ちょっとばかり早いか遅いかの違いですよ」
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