22:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:00:01.72 ID:TXxgAIfuO
神父様とセイラムの普段の関係性を、私はまるであるカートゥーン・アニメに登場するネコとネズミのようだと、軽妙で調子の良いものだと考えていました。
けれど、そのときのふたりに横たわる空気はあまりにも重々しく、強張り、異常を響かせていたのです。
もう出会ってからずいぶん長いというのに、いまのいままで私が知らなかったふたりの顔。拍動する戸惑いと、静かに覚醒する恐怖に近い感情がありました。
私はそこにいるふたりに向けて足を踏み出すことができず、かといってその場を去ることもできず、ただ立ち尽くしてしまいました。
背筋に走る冷や汗に凍てついたような私とは違い、彼らは話を済ませば動き出します。教会に戻ろうとする彼らと、教会から出ようとしていた私と、鉢合わせるのは至極当然のことだったでしょう。
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