10: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:15:43.43 ID:a363b6qL0
彼は鎮守府の裏まで来ると、草の茂みの前でそわそわし始めた。
その姿はまるで恋人を待ちかねているかの様。
11: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:16:27.34 ID:a363b6qL0
回れ右をした私の耳に提督の声が聞こえた。
やはり提督は誰かと会っていたのだ。
12: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:16:56.08 ID:a363b6qL0
提督「よーしよしよし。あーーー!かわええなおまえなああああああ」
猫「ニャー」
13: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:17:39.29 ID:a363b6qL0
その日の夕方、私は提督からの頼まれ事で鎮守府の離れにある工廠へ来ていた。
初風「じゃあ、伝えましたからね」
14: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:18:10.83 ID:a363b6qL0
初風「...おいで」
手招きをすると、それに応えるようにこちらへ這い出してくる。
15: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:18:50.62 ID:a363b6qL0
初風「私もあなたみたいに甘えられたらな」
仰向けになった猫のおなかを撫でながら、一人ごちる。
16: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:19:26.23 ID:a363b6qL0
その声の主はいつの間にか、野良猫の隣に立っていた。
初風「あ、貴方は!」
17: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:19:59.09 ID:a363b6qL0
エラー娘「おっと、そんなに怖がらなくてもいいじゃないか。別に君を取って食う訳じゃないんだ」
彼女はセーラー帽子を触りながら、無駄に渋い声で私に語りかける。
18: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:21:16.30 ID:a363b6qL0
エラー娘「どうして甘えられないのかい?」
初風「それは...私が提督に甘えるのはおかしいのかなって。」
19: ◆6x79oqdrbDOF[saga]
2018/07/05(木) 01:22:05.32 ID:a363b6qL0
...ちがう。私の知っている彼は何時だって私の傍に居てくれた。
私が彼の目を見て話せなかった時も、ちゃんと話を聞いてくれた。
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