49: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2018/07/03(火) 00:56:18.00 ID:Wze3yOnD0
〇
「あ――」
と、道中で芳乃がよろけた。
「どうした!?」
慌てて駆け寄ると、彼女は右足を気にしていた。
靴を脱がせてみると、踵のあたりが赤くなってしまっている。
そうか、しまったな。この靴は今日のための下ろしたてのようだ。
もともとこのタイプの履き物に慣れていないのに加えて、夜市を随分歩いたからな。
軽い靴擦れを起こすのも当然だ。
「お気になさらずー。なんのこれしきでしてー」
「無理すると酷くなるぞ。ほら」
芳乃に背中を見せてしゃがみ込む。
ほ、と目を丸くする彼女を促す。
「おぶっていくよ。気にするな、軽いもんだ」
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