1: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:01:16.13 ID:+BSudOYo0
「起立!神樹様に、礼!」
神世紀300年、讃州中学校2年の教室。
そこでは今日一日の授業を終えた生徒たちがホームルームを終え、この世界を守る神樹へと祈りを捧げていた。
しかし、そんな中ただ一人、椅子に座ったまま腕組みをし、ふんぞり返っている女子生徒がいた。
「けっ、なぁにが神樹サマじゃい、アホらしい」
彼女の名は結城友奈。讃州中学の二年生であると同時に、暴力団・結城組の二代目組長でもある。
彼女の父親である結城組の初代組長は先月、敵対する暴力団との抗争の末、命を落とした。
その結果、彼の一人娘だった友奈が若干13歳にして二代目組長となったのである。
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2:名無しNIPPER[sage]
2018/06/14(木) 22:08:08.88 ID:EV9h8UIfO
蘭子「混沌電波第172幕!(ちゃおラジ第172回)」
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3: ◆BHtXRZieJ2
2018/06/14(木) 22:10:20.09 ID:+BSudOYo0
「友奈ちゃん、ちゃんとお祈りしないと、先生に怒られちゃうよ」
「そう堅っ苦しい事言うな東郷。わしは神頼みなんぞ大嫌いなんじゃ!」
ホームルーム終了後、友奈は彼女の親友である車椅子の少女、東郷美森と共に勇者部の部室で談話に興じていた。
4: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:18:20.42 ID:+BSudOYo0
「友奈ぁ!!友奈は来てる!?」
突如、部室のドアを乱暴に開け放ち、一人の少女が姿を現した。犬吠埼風。勇者部の部長である。
呼吸は乱れ、肩と声は震え、その顔は鬼のごとき形相である。
彼女が怒り狂っていることは火を見るよりも明らかだった。
5: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:24:00.12 ID:+BSudOYo0
「だからって全員病院送りにする事ないでしょうが!全治4ヶ月よ!少しは手加減しなさいっての!」
「じゃあかしい!勇者部五箇条ひとつ!目に見える健全さと不健全さを!
健全さを守るためには、多少の暴力は必要なんじゃ!エンコが残ってるだけでも有難いと思わんかい!」
6: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:29:50.54 ID:+BSudOYo0
「ゆ、友奈ちゃん、大丈夫?」
友奈の身を案じ、近寄る東郷。
だが、当の友奈は心身ともに傷ついている様子はまったくなかった。
7: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:36:19.37 ID:+BSudOYo0
「東郷、こりゃどうなっとるんじゃ?」
「私にも何がなんだか…」
次の瞬間、二人の周囲はまばゆい光に包まれ、思わずまぶたを閉じる。
8: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:37:29.36 ID:+BSudOYo0
今まで黙っていた友奈が、風の説明に理解が追いつかず、怒りを露わにしながら風の胸倉を掴む。
今にも風に殴りかかりそうな勢いの友奈だったが、突如巻き起こった爆風の衝撃により、その動きを止めた。
一斉に爆発の発生した方向を見据える四人。そこに姿を現したのは、巨大な桃色の異形だった。
「なんじゃありゃ…」
9: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:38:28.99 ID:+BSudOYo0
「二人とも…分かった、じゃあ一緒にいくよ!」
「うん!」
「おう!」
10: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/14(木) 22:39:31.64 ID:+BSudOYo0
「遅くなった!樹、風先輩、無事か?」
東郷を避難させ、樹と風の元へと駆けつけた友奈。
二人はそれぞれの精霊である木霊と犬神の協力を得て応戦しているが、苦戦しているようだった。
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