16:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:54:15.73 ID:420CtvZa0
さっきまでの私のワクワクは、これから一体どうなっちゃうのかしらというハラハラに変わっていました。
ああ、お茶でも持って行って間に入るべきかしら、それとも、もう少しこのまま様子をみておいた方が……と、焦り逡巡する私を余所に、当事者である二人はどこまでも落ち着いていました。
17:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:54:56.89 ID:420CtvZa0
それを見て私は、
──何だかいつもの伊織ちゃんらしくないな。
漠然とではありますけど、そのように感じました。
18:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:56:24.86 ID:420CtvZa0
伊織 「……ああ、そうそう。それともう一つ」
指を一本ピンと立てて、いかにも『今ちょうど思い付いた所だけど──』みたいな体で言葉を続ける伊織ちゃん。
19:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:57:52.44 ID:420CtvZa0
うふふ、やっぱり伊織ちゃんは伊織ちゃんでした。
問題は、千早ちゃんが気づいたかどうかですけど……優しい彼女の事です、きっと大丈夫でしょう。
この言葉を聞くと、千早ちゃんはひとつ大きく頷き、ゆっくりと顔を上げました。
20:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 03:00:15.59 ID:420CtvZa0
千早 「ねぇ、“水瀬さん”」
伊織 「……何よ」
──“水瀬さん”。
21:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 03:01:13.21 ID:420CtvZa0
顔を逸らしたまま目線だけを送る伊織ちゃんと、
逸らす事なくまっすぐに見つめる千早ちゃん。
そんな二人の根比べはすぐに決着がつきました。
22:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 03:03:37.25 ID:420CtvZa0
伊織 「──今日ね、取材があったんだけど」
そう前置くと、彼女は話し始めました。なぜ彼女がこんな芝居を打ったのかを、その想いを。
23:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 03:05:36.73 ID:420CtvZa0
伊織 「その内の一つに、こんな質問があったの──【あなたにとって所属事務所とは何ですか?】ってね」
あら?アイドル個人に焦点を当てているコラムだけに、そういう質問は珍しいですね。普段は本当にアイドルだけを掘り下げていくんですけど……ウチの事務所はみんな仲良しって、評判だからなのかしら?
24:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 03:07:49.92 ID:420CtvZa0
俯いたまま、少し考える時間が必要かしらとも思いましたが、すぐに顔が上がりました。
どうやら、答えは見つけられたようです。
25:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 03:10:32.34 ID:420CtvZa0
でも、それは千早ちゃんだけに限った話ではありません。
伊織 「そんなに気にする必要ないわ……だって、私もそうだから」
千早 「え?」
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