24: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/11(月) 20:29:32.86 ID:4HE2LzfA0
「もしかして、私だけ先にお昼ご飯?」
「ダイエットしてるならそれでもいいけど。コーヒーにする? それとも紅茶?」
「紅茶が良いな。ミルクたっぷりの」
母がやれやれと言う風に眉を上げて台所へと戻っていく。
真っ白なお皿の上にはこんがりと焼き目のついたジャムトースト。
火傷しないように手に取ったら、鼻をくすぐっていたリンゴの匂いが強まります。
……ひなたちゃんから頂いたジャムと食パンの相性は凄く抜群。
まるで焼き菓子のような味のハーモニーに、つい、お代わりだって欲しくなりますけど。
「歌織、ちょっといいかな」
名前を呼ばれて視線を上げる。
口の中のパンを飲み込んだなら。
「なぁに、お父さん?」
「今日はお父さんもお休みでね。どうかな、久々に二人でゴルフにでも――」
「あー……ごめんなさい。午後からは大事なお仕事が待ってるの」
私はどこかソワソワと提案する父の言葉を遮ると、
申し訳ない気持ちで小さく首を横に振って。
するとたちまち、お仕事という言葉を聞いた彼の顔色が怪訝そうな物へと変わります。
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