23: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/11(月) 20:27:05.74 ID:4HE2LzfA0
顔を洗いに行く途中で母と別れ、
私は洗面台のボウルにぬるま湯を張り終えると手を浸す。
冬の寒さに心地いい感触。
ぱしゃりと顔に貼りつければ、ようやく目元がスッキリします。
水を使う朝の身支度に関する一通りのルーティンを終わらせたら、
ふわふわタオルで顔を拭きつつ今日の予定を確認する。
「――いやだ」
気づけば、頬の緩み切った自分の顔が洗面台の鏡に映っていて。
気を張り直すように瞳を閉じて深呼吸。
……再び瞼を上げた時、鏡の中の歌織はちゃんと余所行きの表情で私とその目を合わせました。
「本当に浮かれ屋なんだから」
困ったように言い聞かせて、すぐにも洗面所を後にする。
そうして居間にやって来ると、
ソファに座っていた父が読んでいる新聞から顔を上げ。
「おはよう歌織。今朝はよく眠れたのかい?」
「おはようございますお父さん。……お休みだから寝過ぎちゃった」
挨拶を済ませた私は彼の対面に腰を下ろしました。
二人の間に置かれたテーブルに、母が出来立ての朝食を持って来てくれます。
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