40:1
2018/06/04(月) 19:10:21.50 ID:oMtdo1oj0
五分前、タイムマシン移動中――
鈴羽『椎名まゆりは、岡部倫太郎のことを深く愛していたの。どういうかたちであれ、ね』
41:1
2018/06/04(月) 19:11:56.14 ID:oMtdo1oj0
鈴羽『おじさんがとられてしまう。でも自分には紅莉栖さんに勝るものは何一つない。そう思った椎名まゆりが無意識に引き出したもの……それが』
岡部『別の世界線の、記憶……』
42:1
2018/06/04(月) 19:12:47.08 ID:oMtdo1oj0
岡部『それが、まゆりか』
鈴羽は黙って頷いた。
43:1
2018/06/04(月) 19:13:19.34 ID:oMtdo1oj0
鈴羽『椎名まゆりが元々記憶を引き出しやすい体質であったこと。強いリーディングシュタイナーを持つおじさんが常にそばにいたこと。この二つが、おじさんの発表によってお互いに強く作用したんだ』
鈴羽『おじさんだけならラボメンのみんなも、別の世界線の記憶は《夢かな》くらいで済むんだけど、椎名まゆりのリーディングシュタイナーは強力すぎる』
44:1
2018/06/04(月) 19:27:23.02 ID:oMtdo1oj0
俺にはわかる。
リーディングシュタイナーは、決して素晴らしい能力などではない。
仲間とどんなに楽しい、苦しい経験を共にしたとしても、世界線が変わってしまえば、それはもう分かち合えない。
45:1
2018/06/04(月) 19:36:00.62 ID:oMtdo1oj0
雷ネットの会場につくと、ちょうど鈴羽とその母、阿万音由季が車に乗ったところだった。
奴は奴で、何かを掴もうとしているのだろう。
木陰に隠れて見ていると、すぐに焦った過去の俺がタクシーを捕まえその後を追う。
46:1
2018/06/04(月) 19:36:27.59 ID:oMtdo1oj0
紅莉栖に、厳密には誰かに好きだと伝えればまゆりが傷ついてリーディングシュタイナーを発現し、別世界線の記憶を持ったラボメンたちに俺はやりきれなくなり、ディストピアを形成する。
紅莉栖もまゆりも選ばなければ、まゆりが孤独を感じてリーディングシュタイナーを発現し、俺がディストピアを形成するだろう。
47:1
2018/06/04(月) 19:38:48.73 ID:oMtdo1oj0
二時間後――――
鈴羽「あ、オカリンおじさん!こっちだよ!」
48:1
2018/06/04(月) 19:39:51.82 ID:oMtdo1oj0
タイムマシン内――――
鈴羽「…………」
49:1
2018/06/04(月) 19:40:32.33 ID:oMtdo1oj0
岡部「何でだ!何でだよ!!紅莉栖を好きになっちゃいけないのかよ!!俺は絶対に、まゆりを愛し続けなければならないっていうのかよ!!まゆりが嫌いな訳じゃない……まゆりを嫌いな訳がない!!けど俺は、ずっと支えてくれた!……一緒に、……戦ってくれた……!牧瀬紅莉栖が、好きなんだよ!!何でそれがダメなんだよォ!!!」
岡部「何で俺なんだ……何でまゆりなんだ!何で紅莉栖なんだ!!他の誰かじゃダメだったのか!!何で俺たちなんだよ!!…………くそ。電話レンジなんか作らなければ良かった。牧瀬紅莉栖とも出会わなければ良かった!!」
50:1
2018/06/04(月) 19:41:09.13 ID:oMtdo1oj0
岡部「――――ッ」
鈴羽「岡部倫太郎ッ!!!!」
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