161: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/04/07(日) 14:16:00.04 ID:NdD66LHM0
カクテルが如何ほどするのかは知らないが、これだけあれば二人分の酒代は十分に賄えるだろう。
俺は、黙ってカウンターに銀貨を1枚おいた。
すると、それに対抗するかのように遊び人もまた自身の懐から銀貨を1枚取り出す。
あくまでも、今晩は俺に奢られるつもりはないという意思表示なのだろう。
「多すぎますよ」
マスターが困った表情で、俺と遊び人の顔を見つめる。
「マスターに」「マスターに」
期せずして、俺と彼女の言葉が被さった。
マスターはくっくっと頬を緩め、「では頂戴いたします」と銀貨を引っ込めた。
「また来るわ」
遊び人が、パンパンと手を二回たたき俺の体は再び光に包まれテレポートする。
「またお越しください」
光の中で、ただマスターの声だけが響き渡った。
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