遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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156: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/04/07(日) 14:13:38.03 ID:NdD66LHM0


譲歩はしている。

かつての勇者なら、理由がなければ出会った魔族に手心を加えるなんてなかった。

だが、遊び人が無益な殺生を嫌っている以上。そして俺が彼女に嫌われたくはない以上。

俺は彼女の意向に沿って、最大限の努力をしてきた。

そうでなければ、ここにたどり着くまでに俺たちは数多の魔族の死骸を積み上げてきたことだろう。


俺の「殺さない」努力を彼女は一切顧みていない。

これは一体どういうことだ。俺のかつての戦いぶりは、元騎士であるというのなら噂ぐらいは耳にしているはずだ。

勇者の通った後には草すら生えない。勇者のブーツは常に血の赤で濡れている。これまで散々なことを言われてきた。

そんな俺が、彼女と出会ってから今日という日まで命をひとつも奪っていないということがどれほどの事なのかをわかっていない。

惚れた弱み。そう惚れた弱みであるが、これほどまでに尽くしているというのに……。

その無関心には怒りすら覚えてしまう。


「遊び人、俺からも君に質問がある」


「なによ」


「君はなぜ魔王を追っている」


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