白菊ほたる『災いの子』
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68: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:52:34.82 ID:XzeV2oVA0
「相葉はそれまで」

 聖さんが言う。

「次、白菊」

 ぼうっと余韻に浸っていた私は、その声で現実に引き戻された。

「は、はいっ! すみません!」

「いや、謝る必要はないが……」

 私が部屋の中央に向かう。すれ違いざまに夕美さんが、「ほたるちゃん、がんばってね」と言って笑いかけてきた。

 なんだかふわふわと雲の上を歩いているような気分になる。
 背後で志希さんが、「ほたるちゃんがかまってくれない」と不満そうな声を出し、夕美さんが「レッスン中だからね」となだめている。
 こそっと振り返り、その様子を盗み見る。私は膝が震え出しそうになるのを必死に抑えた。

 私が、このふたりと同じステージに立つの?


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