73:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:22:35.30 ID:A6rjc17z0
私の言葉に、プロデューサーさんと、事務員さんの目も点になります。
私は一度、ほたるちゃんの顔を見て、二人に向き直りました。
「そのおかげで、ほたるちゃんのファンの、第一号になれましたから」
74:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:26:51.89 ID:A6rjc17z0
「あ、あの」
声がした方に、皆が振り返ると――おずおずと、ほたるちゃんが手を挙げていました。
「どうした、ほたるちゃん?」
75:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:29:43.73 ID:A6rjc17z0
「高いな」
「嫌ならキッパリ禁煙しとけって。マジで女性のタバコだけは止めろよ、だから結婚できねぇんだ」
「いぃだだだだだだだだっ!!!」
気づいた時には、またそういう、関節技のようなものを決めていました。
76:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:31:59.62 ID:A6rjc17z0
という訳で――私とほたるちゃんは、ネガティブな事を言ったら百円。
プロデューサーさんは、擬音を言う度に。事務員さんは、タバコを吸ったら百円。
サマーフェス当日まで、このゲロちゃん募金は続け、本番が終わった後の打ち上げで使いましょう、という事になりました。
77:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:32:59.91 ID:A6rjc17z0
――――――。
――――。
78:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:34:56.26 ID:A6rjc17z0
「スカウト、ですか……? 私はもう、アイドルにはなれません!
私は疫病神なんです。関わったら、あなたの事務所だって、倒産しちゃうかも……!」
――ハッハッハッハ。
79:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:37:42.18 ID:A6rjc17z0
――古い友人が、大手芸能事務所の重役をしていてね。
――彼と相談して、ウチの社員とアイドルを、その事務所に引き継ごうと思っている。
80:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:39:48.07 ID:A6rjc17z0
「し、幸せに……不幸な私が、幸せなんて……」
暗く恐ろしい壁が、見る間に空間を浸食していきます。
81:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:43:19.49 ID:A6rjc17z0
あの日以降、明確な目標を得た私達は、とても精力的に活動を行っていきました。
「ぐわあああぁぁぁっ!!」
「トレーナーさーん!!」
82:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:45:10.38 ID:A6rjc17z0
それ以外にも、車に水を跳ねられたり、自販機に入れたお札が、上手く認識されずに何度も返されたり。
色々ありますが、まぁ――こんなものだろう、と思えば、案外普通です。
「す、すみません、私のせいで……」
83:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 18:48:41.01 ID:A6rjc17z0
「せっかく件の約束を先方と取り付けてきたんだ。それくらいの成功報酬はもらいたいな」
「俺だってちゃんと曲の手配したっての!
そんなん当然の仕事だろ、このコンコンチキのオッペケペーのスットコドッコイめ!」
「はい、三百円」
「残念でしたー、今のは擬音じゃありませんー! 悪口ですー!」
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