32:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:09:55.96 ID:A6rjc17z0
「……えっ」
自分の席に戻り、事務員さんは続けます。
「専ら、バスと徒歩らしい。
33:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:12:38.92 ID:A6rjc17z0
私には、ちっとも分かりませんでした。
いや――。
34:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:16:27.13 ID:A6rjc17z0
とても失礼な事を、言ってしまいました。
ですが――。
「初めは、冗談だと思いました。会社を潰そうとしている、だなんて……
35:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:20:59.41 ID:A6rjc17z0
「えっ?」
「見たのだろう? 彼の書類を」
軽くため息を吐きながら質した事務員さんに、私は黙って首肯します。
36:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:23:12.16 ID:A6rjc17z0
「私のせいでも、ありますし……こんなものだろうな、って、思えますから」
私だけなら――私の人生なんて、そういうものだから。
37:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:25:23.56 ID:A6rjc17z0
「ご存知ですか?」
「ん?」
「どうして、白菊さんがアイドルを目指すのか」
38:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:27:05.22 ID:A6rjc17z0
「やれやれ……人の事より我が事、だな」
気づくと、事務員さんは私のカップに、コーヒーを注いでくれていました。
「えっ……ありがとう、ございます」
39:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:28:34.53 ID:A6rjc17z0
――――――。
――――。
40:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:29:32.60 ID:A6rjc17z0
何だか――いつもと、様子が違います。
黒が広がるのが、妙に遅い気が――。
41:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 16:34:57.49 ID:A6rjc17z0
「かしこまりました、ありがとうございます。それではこれから、はい……いえこちらこそ恐縮です。
では、これからお伺いします。その際にサクッと例の書類もお預かり致しますので……はい、お願いします。失礼致します」
受話器を置いて、プロデューサーさんは慌ただしく席を立ちます。
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