周子「昨日のあたしが知らない場所を」
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64: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:21:06.07 ID:x9sd9kyc0
「ただ、オーディションっていうのは自分を審査員たちに売り込む場だ。要は自分のいいところを見つけてもらうわけだ。何もできないなんて言うな。君のことを評価してくれる人はきっといる。俺だってそうだ」


へ、へえ……?

以下略 AAS



65: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:21:54.64 ID:x9sd9kyc0
男の人が言葉に詰まる。

でもそれは、場を濁すために当たり障りのない返事を探しているのとは違うということがすぐに分かった。

きっとその逡巡は、初対面のあたしに対してどこまで言っていいのか、それを計っている表情。
以下略 AAS



66: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:22:30.60 ID:x9sd9kyc0
「……顔」


うわ。

以下略 AAS



67: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:23:11.54 ID:x9sd9kyc0
「あ、あほちゃう!」


「いや、本気だ! 俺は!」

以下略 AAS



68: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:23:51.73 ID:x9sd9kyc0
男の人からは顔を背けたまま、錆びたブリキ人形のような動きで名刺を袖の下にしまう。

一挙手一投足のたびに、間接がひっかかって滑らかに動かない。


以下略 AAS



69: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:24:54.65 ID:x9sd9kyc0
今度は男の人の声は聞こえなかった。

2度は呼び止められなかったのか、それとも梢を揺らしていた風音が邪魔をしたのかもしれない。

暖簾をはね飛ばす勢いで門屋に駆け込む。
以下略 AAS



70: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:25:58.87 ID:x9sd9kyc0
「アイドルのプロデューサーか……」


あ、しまった。

以下略 AAS



71: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:26:42.94 ID:x9sd9kyc0
そうしているうちに、あたしはもっと大きな失敗に思い至った。

思わず窓を見ても後の祭りだ。

四角く切り取られた宵闇が、そこには鎮座している。
以下略 AAS



72: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/15(日) 12:08:30.33 ID:CS+tPRVL0



名刺に書かれていた会社の名前を調べてみたら、オーディションの会場はすぐに見つかった。

以下略 AAS



73: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/15(日) 12:09:47.99 ID:CS+tPRVL0
よく晴れた初夏の朝だった。

入道雲の子供がぽつんと浮かんでいるだけの空は青一色で、とても眩しかった。

今日のあたしは、着物美人の看板娘から一転、イマドキの装いの18歳。
以下略 AAS



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