69: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/14(土) 17:24:54.65 ID:x9sd9kyc0
今度は男の人の声は聞こえなかった。
2度は呼び止められなかったのか、それとも梢を揺らしていた風音が邪魔をしたのかもしれない。
暖簾をはね飛ばす勢いで門屋に駆け込む。
既に照明が消え、縁台も片付け終えられている庭を走り、脱ぎ散らかした下駄もそのままに従業員用の裏口から自室に一目散へと逃げ込んで後ろ手に襖を閉めた。
そうして初めて、大きく肩で息をする。
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