千早「賽は、投げられた」
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345:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 21:53:58.56 ID:Zo4S+Uss0

その時、ぴくり、と指が動いた。


私が動かしたわけではない。

自身の意思に反して、勝手に動いた。

誰かが、そっと優しく、私の手を取るように。


「……どうしてかしら」


誘われるように、表紙の文字をなぞった。


「暖かい……」


押し付けた指の腹が、じんわりと熱を帯びる。


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