千早「賽は、投げられた」
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272:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 03:13:45.46 ID:UnTjGLwD0

いつの間にか、面会時間の終わりが来た。

病院から出なければならない。


「浮かない顔してるわね」


建物を出た途端、真横から向けられる声。

少し驚いて顔を向けると、水瀬さんが壁に身体を預けて佇んでいた。


「放っておいて」

「どうして?」

「私なんかに構っても、時間の無駄よ」


あれだけ環境に恵まれて、あれだけチャンスに恵まれて。

それを、全てを壊してきた私。

これ以上関わっても、私は不幸しか生まない。


「そんなにボロボロなのに、いっちょ前に私達に気を遣ってるつもり?」


水瀬さんは、そんな私の心を見透かしたように鼻で笑う。

それからすぐに、目付きを鋭くして詰め寄ってきた。


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