263:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 11:38:02.25 ID:m2Fax+Wi0
「美希、そんなところに突っ立ってないで早く……って、千早?」
「こんにちは」
二人して黙り込んでいると、建物の中から秋月さんが姿を現した。
私の姿を見て、嬉しそうに駆け寄ってくる。
「久しぶりじゃない! 帰ってきてくれたのね!」
「ごめんなさい、秋月さん。今日は我那覇さんの忘れ物を持ってきただけで」
「あ……そう、なんだ。ごめんごめん、早とちりしちゃって。わざわざありがとね」
秋月さんは一瞬だけ寂しそうにして、すぐにいつもの明るい顔に戻る。
編み棒を紙袋ごと手渡すと、秋月さんは星井さんの方へ向き直った。
「ほら、美希! 久しぶりに会ったのに、何よその顔は」
「う……」
居心地が悪そうに、星井さんの視線が泳ぐ。
「まったく……あれ? 美希、バッグから見えてるそれって……」
「っ! こ、これは……その……」
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