千早「賽は、投げられた」
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256:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 11:30:37.27 ID:m2Fax+Wi0

「ゆ、雪歩……?」

「……」


前へ向き直った私の目に映るのは、驚きで目を丸くする菊地さん。

そして、平手を放ったままの姿勢で私を睨む、萩原さんの姿だった。

正直、萩原さんが手をあげるとは思わなかった。


「随分嫌われたわね、私」

「……そんな事しか感じなかったの?」


私の襟を掴みながら、萩原さんは叫んだ。


「ねえ千早ちゃん! そんなことしかっ! 感じなかったの!?」

「落ち着いて、雪歩!」


激昂する萩原さん、宥める菊地さん、気圧される私。

菊地さんの言葉に我に返ってから俯くと、萩原さんは背を向けて走っていった。


「ちょっと待ってよ!」


私をちらりと見て何か呟くと、菊地さんは慌てて追いかける。

その場には、私一人だけが残された。


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