161:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:46:20.99 ID:8fWIK/550
彼女が痛みに呻いている間に、私はドアに手をかける。
「!! ま、待って、千早ちゃん!」
地面に強く打ちつけた半身を押さえながら、彼女は慌てた様子で言った。
その言葉に振り向くこともなく、私はドアを開け、部屋を出る。
「待って! 待ってよぉ!」
暗い哀しみの色をした瞳から、涙が溢れて頬を伝う。
私も、彼女も。
「行かないで、行かないでよ!」
何とか起き上がった彼女が、よろめきながらドアへ駆け寄ってくる音がする。
「……っ」
私は待たずに、ドアを閉めた。
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