82: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:28:01.75 ID:UdBPP3xP0
自分用のスポーツドリンクと、俺がいつも愛飲している缶コーヒーも持ってきてくれた。
手隙の時はちゃんと淹れたりするのだが、手っ取り早く済ませたい時はいつもこの銘柄だ。
「好きなんでしょ? ソレ」
83: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:29:21.04 ID:UdBPP3xP0
「アタシもだいたいの話は聞いてるんだ。この雪のことも」
ドリンクで喉を潤して、美嘉はぽつりとこぼす。
84: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:34:01.59 ID:UdBPP3xP0
「最初はこっちもびっくりしてさ」
当時のことを思い出したか、美嘉はくすりと笑う。
85: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:38:00.69 ID:UdBPP3xP0
「いやぁ、よく面倒見てくれたよ。美嘉に頼んだのは大正解だった」
「恨んでるからねー? さんざ振り回されたんだよアタシ」
「よく言うよ。あいつがただのちゃらんぽらんだったら俺より先にお前が黙ってないだろ」
「ま、ね」
86: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:38:41.69 ID:UdBPP3xP0
【一ノ瀬志希かく語りき・そのご】
失踪先に小さな公園があって、そこも白一色だった。
87: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:41:32.73 ID:UdBPP3xP0
「アタシは通りすがりの鼻メガネ紳士」
なにっ、キミがかの有名な。
88: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:42:34.22 ID:UdBPP3xP0
雪で滑った拍子に立派な鼻メガネもずれて、鼻メガネ紳士の素顔が露わになった。
こうなるとさしものジェントルも形無しだ。弱りきった様子で四つん這いになる。
「ふぇ〜ん……メガネと鼻がどっかいっちゃったよう〜……」
89: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/30(金) 00:20:41.82 ID:uXClwahM0
あたしのテンションはフラットだった。
そのはずだった。
90: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/30(金) 00:21:50.29 ID:uXClwahM0
あたしはどこへ行きたかったんだろう。
あの子はどこに居たかったんだろう。
どちらも何も失ってなどいない。全ては冬が来る前の日常に戻るだけだ。
91: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/30(金) 01:07:20.80 ID:uXClwahM0
「あ、いきなりゴメンねびっくりした? じゃ質問変えるねー、鯛焼きの中身ってなに好き?」
変わってないねぇ。
92: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/30(金) 01:49:51.29 ID:uXClwahM0
「次はえっとね、うえきちゃん好き?」
「相当興味深い題材だよねー」
「サメ好き?」
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