88: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:42:34.22 ID:UdBPP3xP0
雪で滑った拍子に立派な鼻メガネもずれて、鼻メガネ紳士の素顔が露わになった。
こうなるとさしものジェントルも形無しだ。弱りきった様子で四つん這いになる。
「ふぇ〜ん……メガネと鼻がどっかいっちゃったよう〜……」
「……」
「メガネメガネ〜……あと鼻〜……鼻*鼻〜……」
「…………」
寒さに麻痺していた頭が、だんだんと日常の感覚を取り戻していく感じがした。
ベンチに座ったまま、あたしはアドバイスを投げた。
「あたま、あたまー」
「頭? ……ワオ! ほんとだ! 鼻メガネ紳士復活っ!」
再び元気よく立ち上がって、紳士はあたしの隣に座る。
そうして改めて鼻メガネを外し、傘をこっちに傾けた。
「探したよー」
フレちゃんはいつも、いつも通りに笑う。
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