74: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:37:56.85 ID:UdBPP3xP0
「パパ! でも、アーニャは……!」
「そのひとの言う通りだよ」
75: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:38:44.27 ID:UdBPP3xP0
アーニャちゃんは何か言いかけて、でも口をつぐむしかなかった。
彼女の手を優しく、だけど力強く引く大人の手。
きっと温かいのだろうなと思う。
76: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:39:55.85 ID:UdBPP3xP0
似ていると思った相手は、深いところで決定的に違った。
残されたのは、帰る場所のない雪だるまだけだった。
そんなものだ。
77: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:40:56.40 ID:UdBPP3xP0
またお腹の底で悪い虫がぐるりと蠢動する。
大した理由もなく、どこかへ行きたいなぁと悪魔が誘惑する。
78: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:44:02.06 ID:UdBPP3xP0
一旦切ります。
79:名無しNIPPER[sage]
2018/03/29(木) 19:27:56.09 ID:oFHREiDao
乙
80: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:23:35.10 ID:UdBPP3xP0
―― 事務所
志希がいなくなった。
81: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:24:53.41 ID:UdBPP3xP0
連日の雪は弱まりつつあるようだった。
このまま順調にいけば、予定日には問題なくフェスを開けそうだ。
「なんか……平気そうじゃん。意外なんだけど」
82: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:28:01.75 ID:UdBPP3xP0
自分用のスポーツドリンクと、俺がいつも愛飲している缶コーヒーも持ってきてくれた。
手隙の時はちゃんと淹れたりするのだが、手っ取り早く済ませたい時はいつもこの銘柄だ。
「好きなんでしょ? ソレ」
83: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 23:29:21.04 ID:UdBPP3xP0
「アタシもだいたいの話は聞いてるんだ。この雪のことも」
ドリンクで喉を潤して、美嘉はぽつりとこぼす。
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