75: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:38:44.27 ID:UdBPP3xP0
アーニャちゃんは何か言いかけて、でも口をつぐむしかなかった。
彼女の手を優しく、だけど力強く引く大人の手。
きっと温かいのだろうなと思う。
「だいじょぶだよ。たとえ他の全てがキミを拒絶したって、キミはいつでも帰れる。
それは才能や能力なんて及びもつかない、代替不可能な場所だから」
衷心からそう言って、あたしはにゃははと笑う。
だってそれ以上に望ましいことがこの世にあるだろうか?
扉が閉まる。
風の吹く音と、誰かの声がする。
玄関に立ち尽くしたまま、薄暗い天井を見上げた。
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