唯「四月は君の華」
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20:1[saga]
2018/03/20(火) 21:38:19.78 ID:NiGcwUvh0
「ここ、差し入れ置いとくね」

「あ、ありがとう。憂」

「できたよ、梓ちゃん!」

じゃじゃーんとでも言うように、梓ちゃんを私に向かせた。ツインテール梓ちゃんは恥ずかしそうにしている。

「梓ちゃんかわいい! 似合ってるよ!」

「でも目立っちゃうよ」

「梓ちゃん、コンクールは目立ってナンボなんだよ!!」

「普段の梓ちゃんも、日本人形みたいでかわいいんだけどね」

「なにそれ嫌味ですか……?」

えへへ、と梓ちゃんに笑いかけた。

「じゃあ私行くね。差し入れ持ってきただけだから」

「憂」

私はお姉ちゃんの方に振り返る。

「私、もう一度頑張ってみるよ」

お姉ちゃんの笑顔は、いじめが起こる前、5年前の笑顔だった。



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