19:1[saga]
2018/03/20(火) 21:34:49.69 ID:NiGcwUvh0
17.憂side 放課後
校舎の中に自動販売機はなかったから、私は校舎のすぐそばのコンビニに寄ってから音楽室に向かった。手に持つのはお姉ちゃんが大好きないちご牛乳と、コーヒー牛乳。梓ちゃん、気に入ってくれるかな。
音楽室の窓からこっそりと中を覗く。2人は私が図書館でもらってきたコンクールの資料を床に座って眺めていた。
「お姉ちゃん、頑張ろうって思えたんだ……」
2人はずいぶん仲が良さそうにしていて、特に最近はお姉ちゃんは心を開いたようで、とてもつい数日前に出会ったばかりだとは思えなかった。
しばらくすると、お姉ちゃんは梓ちゃんを押し倒した。梓ちゃんは驚いて抵抗するけど、お姉ちゃんのなすがままになっている。
梓ちゃんは言っていた。お姉ちゃんは知り合ったばかりの時はものすごくヨソヨソしかったけど、最近は隠していた本性らしきものを出し始めていると。
いたずらしちゃおう、私はドアを開けた。
「おじゃましまーす……あ、邪魔しちゃったかな?」
梓ちゃんは顔を真っ赤にする。
「ち、違うの! 唯先輩がいきなり、コンクールの時の髪型研究しようとか言い出して!!」
「いいじゃないかいいじゃないか〜。梓ちゃん、きっとツインテール似合うよ〜」
「恥ずかしいからいいですっ」
「一回だけ! 一回だけでいいから!」
お姉ちゃんは強引に髪を結び始めた。
「お姉ちゃん、乱暴にしちゃダメだよ? 梓ちゃんも、一回くらいいいじゃん♪」
梓ちゃんは諦めたようだ。恨めしそうに私を見る。
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