1: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 01:47:52.57 ID:oJjJsh0zo
これは稀代の女難に見舞われた、ある一人の男の話である。
===1.
事の始まりは午前のこと。連勤の疲れが出て来たのか、
はたまた日頃の無精が祟ったか、もしくはそれぞれどちらもか。
兎にも角にもP氏は不覚のうちに接触事故を起こしたのだ。
「明日は待ちに待ってた休みだ」とか、
「早く家に帰って眠りたいな」なんてことに意識をやってたせいもあるのだろう。
前方不注意怪我一生。
とにかく注意力が散漫になっていたことを否定することなどはできやすまい。
不幸にも事故現場となってしまったのはいつもの如く765プロ劇場。
P氏が資料を詰めた大きくて重たい段ボール箱を抱えて階段を上っていた時の出来事だ。
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2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 01:50:07.23 ID:oJjJsh0zo
「や、やっぱり少し無茶だったか……?」
口から不安がこぼれ落ちる。
3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 01:51:45.57 ID:oJjJsh0zo
大の大人が痛みに涙するのは随分と格好悪いことだ。
だが、そう悟った瞬間に氏は驚くほど冷静になっていた。
4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 01:53:08.29 ID:oJjJsh0zo
結果、医者から下った診断は『ぎっくり腰』。
もし紙の束の上に落ちて無かったらもっと酷いことになっていた可能性もあったと言うのだから、
数日のあいだ腰に痛みを覚えるだけで済んだのは不幸中の幸いだと言える。
5: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 01:55:56.99 ID:oJjJsh0zo
「む、う。それでも、腰が痛むっていうのは想像以上にしんどいな……」
そうして、今はその日の午後である。
P氏は自宅のベッドの上で独りごちた。
6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 01:58:06.61 ID:oJjJsh0zo
こういう時、他者からの手助けを期待できない一人暮らしというのは辛い。
炊事、洗濯、部屋掃除。P氏は持ち帰った資料の整理だってしなくてはならなかった。
メールのチェックだってある。録り溜めたテレビ番組を消化する必要だってあった。
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