【クッキー☆】『猫になったBNKRG』
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63:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:16:24.66 ID:kLIsZwOI0
ご飯を食べた後、強引に風呂に入れられた。
愛護センターで体が汚れていたためか、かなりお湯は汚れた。まさに生き返った気分だ。
体中に水滴がついてムズムズしたため、BNKRGは体を震わせた。水しぶきが飛んでTISがむせた。
しまった、と思ったが後の祭りだ。申し訳なく体を縮めているとTISはむせるのをやめ、丁寧に体を拭いてくれた。
そうか、猫が体を震わせて水気を飛ばすのはこういう事か。
以下略 AAS



64:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:16:58.52 ID:kLIsZwOI0
風呂を出た後BNKRGはトイレの説明を受けた。
そんなもの分かるに決まってると口を出したかったが、猫語なので通じるはずがない。
冗長な説明が終わった。TISはリビングでテレビを見ている。
TISはどうやら一人暮らしのようだ。初めて知った。
ゴミ屋敷と噂だったが噂されるほどゴミ袋が多いわけではない。少し散らかっている程度だ。
以下略 AAS



65:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:17:24.89 ID:kLIsZwOI0
リビングのソファーに座るTISは、BNKRGを隣に置いている。
逃げるなら今だ。そう思うのだが、撫でる手が妙に優しかった。
好意に飢えていた。BNKRGは手の感覚に身を任せ、半分困惑半分安堵で目を細める。
「まだ生きてていいのかな」少しだけ胸に暖かいものを感じたが、「猫殺し」という言葉が脳裏をよぎり、すぐに罪悪感で俯いた。



66:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:17:55.46 ID:kLIsZwOI0
「名前、つけとらんかったな」
TISは呟いた。BNKRGにとっては元人間だが、TISにとっては名無しの野良猫だ。
「どんなんがええかな」
BNKRGは口を開きかけたが、やめた。独り言が多い女である。
「まぁず」肩を叩かれた。
以下略 AAS



67:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:18:26.70 ID:kLIsZwOI0
寝る時間になったのかTISは別の部屋へ向かった。
BNKRGはため息をつき、ついていった。
一緒に寝るんか、と呟いた。
その声がどことなく寂しげで、そして嬉しそうで、BNKRGは困惑した。
まぁずとは、誰か大切な人の名前だったのだろうか。
以下略 AAS



68:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:18:54.61 ID:kLIsZwOI0
「痛い! ちょっと」
「あの人も私を捨てたけど、まぁずは私を受け入れてくれるんやね」

腕が緩んだ。半分涙声だ。

以下略 AAS



69:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:19:34.49 ID:kLIsZwOI0
下ろされ、BNKRGは距離をとった。
死ぬ?TISが?
なんのことかわからなかった。
一人ぼっちのTISと、愛護センターで孤独であったBNKRGと姿が重なった。
このまま死ぬまで猫でいるなら、彼女を一人にして出ていくわけにはいかない。孤独死させてしまう。
以下略 AAS



70:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:20:13.40 ID:kLIsZwOI0
「あっめあっめふっれふっれかあさんがー」
小学生(?)が歌い、それを遠目に見守る男は煙草をふかしている。通学路は今日も平和でいい天気だ。
その小学生(?)は、今日は一人だった。
見守る男、葛城は立ち上がった。
時は来た。


71:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:20:41.50 ID:kLIsZwOI0
煙草屋として独立したのも、この少年のためだった。
一目で小学生に恋をした。
あの笑顔を苦痛に歪ませたい。その一心で付近に店を構えたのだ。
あの笑顔を独り占めにしたい。その一心でずっと待っていたのだ。
本業はやめた。多くの人が葛城に理由を聞いてきた。答えなかった。
以下略 AAS



72:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:21:22.00 ID:kLIsZwOI0
煙草屋を閉め、裏口から回り込む。誰が廃棄したのか、新聞が道を舞っていた。
監視カメラの死角に待機する。煙草に火をつけ咥えた。
道端にあった邪魔なポリバケツを足で遠ざけた。倒れたがどうでもいい。
少年がもう少しで手に入る。
興奮で口のタバコが僅かに震える。武者震いと言い聞かせた。
以下略 AAS



73:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:21:47.52 ID:kLIsZwOI0
少年は足を止めた。
隣に車が止まっていた。

「お兄ちゃん楽しそうだねぇ、俺らとも遊ぼうじゃねぇか、おーい」
「あれぇ〜?」
以下略 AAS



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