4:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:36:28.62 ID:kLIsZwOI0
「BNKRGさん、最近気づいたんやけどアンタ猫をどこへ連れってるん?」
「別にどこだっていいでしょ」
「BNKRGさん、まさか猫を食べてたりしてへんやろな?」
ばれていた。図星を付かれたが、冷静を装う。
5:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:36:57.12 ID:kLIsZwOI0
「BNKRGさん、そんな暴言は」
「BNでいいって言ってるでしょ!」
6:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:37:47.65 ID:kLIsZwOI0
退屈な授業が終わるとBNKRGはPSRに見つかる前に下校した。
PSRに見つかると帰りに猫鍋用の猫を調達できないからだ。
母親のKNNがナースで忙しい日があり、BNKRGの家の夕食は当番制になっている。夕飯ごとにおかずを決められた額の間で買う。
残りはお駄賃としてもいいルールだ。
そこにBNKRGは目をつけた。
7:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:38:16.10 ID:kLIsZwOI0
しばらく猫を探すと一匹、丸々太った猫を見つけた。
丁度いい、この一匹で今日の夕飯の分をすべて賄ってしまおう。
鞄から睡眠薬入りの餌と麻袋と折り畳み式の網を取り出し、BNKRGは近づいていった。
3メートル程まで近づいたところで猫はこちらに気づいた。
目を丸くして近づこうとしたようだが、一瞬で網に気づいたようだ。賢い猫だ。
8:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:38:53.10 ID:kLIsZwOI0
塀まで追いつめた。猫は一匹だ。どうやら動きそうなので、網を携える。
猫が近づく、しかし塀には飛ばなかった。
逆に襲ってきた。慌てて網で襲う猫を追う。と、脇をすり抜けそうになった。
BNKRGはそれを逃さなかった。すり抜け逃げる猫に網をかぶせた。
しかし存外手強い。猫は網に入っても暴れた。猫も必死だ。
9:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:39:42.71 ID:kLIsZwOI0
「君は何をしているんだ」
咄嗟に振り返った。
「誰!?」
10:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:40:33.01 ID:kLIsZwOI0
顔に青筋がたっている。本格的にまずそうだ、BNKRGは身構えた。
だが、一瞬後には間合いを詰められスプレーのようなものを嗅がされていた。
狭まる視界。落ちる意識。BNKRGは、君にはそれ相応の罰を受けてもらおう、という声を耳にして意識を失った。
11:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:41:09.50 ID:kLIsZwOI0
意識を取り戻したBNKRGは困惑した。裸にされ、ベルトで雑にベッドに固定させられていたからだ。
移動させられた先は分からない、しかし触れる空気が温かい事から外ではない事は分かった。
12:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:42:06.37 ID:kLIsZwOI0
「そうだ、動物がいい」
「君は野獣になっていじめられたうちの子の気持ちが初めてわかるんだ」
誘拐犯が振り返った。目を見開いている。瞳孔すら開いてそうだ。
首に何かが刺される。注射…?体が変だ。頭がくらくらする。鈍痛がする。
13:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:42:53.27 ID:kLIsZwOI0
走り疲れてBNKRGは路地裏に逃げ込んだ。昼に雨でも降ったからか、路面には水たまりがいくつもできている。日は暮れかけていた。
自分が何をしたというのだ、ただ野良の猫を狩って食べてただけなのに。BNKRGは落ち着くと同時に次第に腹が立ってきた。
ピチャ、と不意に水たまりを踏んでしまった。冷たさで飛び上がる。が、何かがおかしい。手を振っても水気がなかなか落ちない。
それにいつもより見える風景が低い。
水たまりを見つめる。
14:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:44:05.87 ID:kLIsZwOI0
混乱してしばらく何も声が出なかった。顔をひたすら触っては触っては確かめる。確かに猫だ。
「嘘でしょぉー」
続いて間の抜けた声が出た。叫び声というよりは鳴き声であり泣き声だ。目も若干潤む。
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