35:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:59:03.46 ID:kLIsZwOI0
何故犬猫は食べてはいけないのだろうか。今更になってBNKRGは思った。
頭がいいから?いや、ブタもガチョウも犬より頭がいいという話を聞いたことがある。
菌が多くて食中毒になるから?なら貝類のカキはどうなる?毎年少なからず食中毒が起きている。
倫理的、道徳的な問題?倫理とは何?道徳とは何?
頭がこんがらがってきた。自分らしくない。くよくよ悩む性格ではないのに。
36:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:59:30.08 ID:kLIsZwOI0
疲れた。ついさっきまで走って止まり、走っては止まりの繰り返しだったので当たり前だろう。お腹も空いている。
ホカホカのご飯が食べたい。お風呂で汗を流したい。温かいベッドで寝たい。そう思っても飼い猫にならない限り出来るはずがない。
今までなんでもない、当たり前の事が素晴らしい事だった。
そうか、と心の内で手を鳴らす。食糧問題も野良猫には重要な悩みなのかと今更になって気づく。
BNKRGは疲れて公園の茂みに入った。今は腹よりも走り回った眠気の方が勝っている。ここなら、安易に見つかることもないだろう。
37:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:00:06.61 ID:kLIsZwOI0
BNKRGは秋が嫌いだ。それは姉のRUがいなくなった季節でもあるからだ。
家族の姿が脳裏に映る。いなくなったRU、毎朝元気に出勤するSNNN、優しく、BNKRGを受け入れてくれるKNN。
会いたい。寒さが目に染みたのか、一度目をこすってため息をついた。
38:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:00:37.49 ID:kLIsZwOI0
少しの間眠っただろうか。不意に揺り起こされた。
欠伸をしながらBNKRGは目を開けた。
「な、何よ」
「やべぇよやべぇよ」
39:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:01:03.52 ID:kLIsZwOI0
「アイツらが来たから……」
「何よアイツらって」
「あく逃げろよ」
茂みから別の声がした。どこかで聞いたことあるような気がしたが、どこだったか。
40:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:01:32.70 ID:kLIsZwOI0
「一体何なのよ……」
茂みから顔をのぞかせた。
公園内は別段変わった様子はない。
だが公園の外に車が駐車しようとしていた。
41:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:02:00.07 ID:kLIsZwOI0
「動物愛護センターだ!」
「えっ…」
血の気が引いた。今はただの猫だ。
42:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:02:33.12 ID:kLIsZwOI0
「よう、猫のねぇちゃん。どうした」
「わっ」
背後からいきなり体を触られて見つからない程度に飛び上った。
背後に見覚えのある、おそらく先程のGOの群れに所属していた猫が3匹ほどいた。
43:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:03:00.26 ID:kLIsZwOI0
「な、なによ」
「この辺にぃ、いい抜け道と隠れ家あるらしいっすよ。行きませんか?行きましょうよ」
「え、でも私は群れには」
「群れ?何のことだゾ?これは群れとかGOとかの意志じゃなくて……見ず知らずの困った猫を助けようとしてるだけだゾ」
「群れって何のことかMURさん分かりますか〜?」
44:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:03:41.50 ID:kLIsZwOI0
「テメーふざけんなよ!こんなことしてタダで済むと思ってんのかよ!」
「あああああ!」
逃げる最中も道端で猫が捕まっている。相当猫の数が多いようだ。
裏道を抜け、階段を飛び上がり、廃ビルの3階から飛び降り、看板の上に着地した。
45:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:04:14.55 ID:kLIsZwOI0
「KMRも走って疲れただろう」
「疲れましたね…」
息せき切っていると案内してくれた3匹のうちの一匹、焦げ茶色の猫がこちらを見ている。
気づいて振り向くとすぐに視線を逸らした。
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