【クッキー☆】『猫になったBNKRG』
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25:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:53:30.28 ID:kLIsZwOI0
30分ほど走っただろうか。路地裏を抜け、繁華街を後にして、住宅街に入っていた。
これだけ走り続けても追ってくる。まだ2、3匹いる。
体力の限界が見えてきた。疲れ果ててへばりそうだ。
視界の端にいい人家を見つけた。明かりがついている。もしかしたら、と突然曲がり入った。
まだ追ってくるだろうか、と人家の垣根の中で荒い息をしながら待った。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:54:03.64 ID:kLIsZwOI0





以下略 AAS



27:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:54:42.40 ID:kLIsZwOI0
「ろうそくろうそく、よし!後頼む!」
「一応みかんとか持って来たぜ」
「えぇ!?い、いいよ!ショートケーキにみかんは合わないって!」
「細かい事は気にすんな!あれだ、具材てんこ盛りの方が美味しいだろ?」
「いやぁ〜……まあ」
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:55:09.60 ID:kLIsZwOI0
「悪いな私の為に」
「えへへ」
「おう!金額だけま、多少はね……?」
「ま、何はともあれよ、あれだ、RI以外の3人で割り勘でいいじゃねぇかよ」
「おお、そうだそうだ、MZ、今年遅れて到着するらしいぜ」
以下略 AAS



29:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:55:46.16 ID:kLIsZwOI0
携帯の番号を口にしている。和気藹々と楽しそうだ。
胸が締め付けられた。この差はなんだ。
片や性交を強要され逃げ惑い、傷だらけになった猫。片や誕生パーティーで和気藹々と楽しげに話す家族。
自分も少し前まで向こう側だっただけに、余計辛かった。リビングのガラスが世界を隔てていた。
自分も温かく迎える家族たちがいた。しかし今やそれは叶わない。どこか遠くの世界に来たかのようだ。
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:56:28.74 ID:kLIsZwOI0
「ワーッハ!」
「さっさと飲んで喰おうぜ?腹減ったぁー」

電話はいつの間にか終わったようだ。
目の前に映る家族と母親、姉のSNNN、自分が重なった。
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:56:55.94 ID:kLIsZwOI0
ハッと気が付いた。何を想像していたのだ。BNKRGは考えを取り払う。
猫なんて所詮なんの苦しみも持たない畜生だ。
そう考えた直後に群れのルールという言葉が出てきた。GOの群れと同じように、他にも猫には猫の社会があるのだと気づいた。
ならばその葛藤も持っているのかもしれない。いやあるに違いない。どうして彼らを笑えようか?



32:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:57:34.57 ID:kLIsZwOI0
自分が狩ってきた猫たちの顔を思い浮かべた。
思い出せる数は少なかった、が、彼らにも確かに大なり小なり多くもあり少なくもある家族がいたのかもしれない。今まで何も気づかなかった。無意識に一家を引き裂いていたのだ。
人殺しと一緒だ。それが人の命と猫の命であるかの違いがあるだけだ。
どうしてTVに出る逮捕された殺人犯を笑う事ができようか?

以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:58:00.82 ID:kLIsZwOI0
「ん?」

一人がリビングの窓に近づく。
咄嗟に茂みに隠れた。窓が開かれる。

以下略 AAS



34:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:58:28.05 ID:kLIsZwOI0
BNKRGはその場を離れた。
居づらくなった。あのままパーティーに割って入って保護してもらってもさらに自分がみじめになるだけだ。
BNKRGを追っていた猫たちは何処にもいなかった。撤収したのかもしれない。
日はとうに暮れ、公園の明かりが街路樹を照らしていた。


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