78: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/05(金) 22:03:19.19 ID:c1/viYU+0
つまり、これは、彼女の一番お気に入りの恋愛小説という事になるんじゃないのか。
その事に気が付いてしまってからは、どうにも妙な気持ちになってしまった。
彼女の事を考えながら恋愛小説を読む。そして、そのせいで甘ったるい夢を毎夜見る。困る。
79: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/05(金) 22:04:37.53 ID:c1/viYU+0
そんなことを考えていたせいでページを繰る手が止まり、うっかり開き癖を付けてしまった。彼女はこのページに開き癖が付いた理由を考えるだろうか。
むう。
80: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/05(金) 22:05:33.73 ID:c1/viYU+0
今度こそ終わり
またね
81: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:48:13.88 ID:shJ2K7Y00
始めます
82: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:49:44.14 ID:shJ2K7Y00
【漁鬼の鵯・まほ】
日曜日。
眩しい。揺れるカーテンの隙間から射し込む光が顔に当たり、目が覚めた。窓に目を遣ると、結露した水滴がきらきらと光っている。
83: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:50:53.52 ID:shJ2K7Y00
「んー、どうしたー」
ため息にでも聞こえたか、千代美が目を覚まして声を掛けてきた。
84: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:52:30.96 ID:shJ2K7Y00
「今日も寒いんだな」
嬉しそうに笑う。まあ、確かに寒い。しかし、昨日降っていた雪は止んでいるようだ。路面の状態は悪そうだが、とりあえず晴れたようで何より。
買い物に出るのに支障は無さそうだ。
85: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:53:41.39 ID:shJ2K7Y00
彼女は体を丸め、懇願するように言う。
「もうちょっと優しく起こしてくれよ」
「具体的には」
86: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:54:46.51 ID:shJ2K7Y00
「おはよう」
「おはよう」
目を擦りながら、晴れたかなと空模様を気にする千代美に、晴れてるぞと窓を顎で示す。カーテンが揺れ、窓の外の麗らかな陽光がまた射し込んできた。
87: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:55:39.96 ID:shJ2K7Y00
「安斎千代美さん」
「は、はい」
88: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/06(土) 17:56:32.22 ID:shJ2K7Y00
じりじりと詰め寄る。成程、道理で寒い訳だ。千代美を捕まえ、室温でまた冷えてきた手を彼女の首筋に当てた。今度は両手。
うひゃああと叫び、身を捩る千代美を取り抑え、その背中に手を突っ込んだ。彼女も負けじとこちらの脇腹に冷えた手を這わせる。
んひっ、という変な声が漏れた。
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