30:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:15:48.22 ID:GlK7P5xA0
「やっと起きたか」
「おはよ、サターニャ」
いつもと変わらない挨拶だった。
31:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:16:55.76 ID:GlK7P5xA0
……
「……ラフィが堕天する?」
「そんな素振りは見せなかったけど、いつの間に……」
32:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:17:58.72 ID:GlK7P5xA0
「……だからって、悠長にはしてられないのよ」
長引けば長引くほど、ラフィエルへの影響は大きくなるのだから。
「あいつの性格は知ってるでしょ……他にもっといい方法があったの……?」
33:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:19:02.17 ID:GlK7P5xA0
枯れかけていた涙が再び溢れ出す。
心の底からの懇願だった。
「……すまん、サターニャ」
34:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:20:33.54 ID:GlK7P5xA0
ガヴちゃん、ヴィーネさんに酷い態度を取ったサターニャさん。
そのあまりの暴挙に、私は怒りを込めた視線をぶつけてしまった。
こんなのサターニャさんじゃない。私の中のサターニャさんの姿を崩さないで、と。
35:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:22:50.19 ID:GlK7P5xA0
「うっ……くっ……ぐすっ……」
「良かった……! 私が見てきたサターニャさんはっ……!」
偽りの姿ではなかった。
36:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:24:54.45 ID:GlK7P5xA0
これが恐れていた事態だった。
今すぐにでも、なんとかここから突き放す方法を考えなければいけないのに。
「私だって……私だって離れたくなんてない……!」
37:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:26:01.85 ID:GlK7P5xA0
「……はい?」
唐突に間の抜けた声が発される。
「え、堕天って、私がですか?」
38:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:28:38.60 ID:GlK7P5xA0
「……」
言葉が返されることはなく、ただラフィエルの天使の力が解放される。
大きな羽と共に頭上に現れる、光を失った環。
39:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:29:44.54 ID:GlK7P5xA0
「ガヴ」
「がってん」
ヴィネットの呼び掛けに応え、ガヴリールも天使の力を解放する。
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