ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
1- 20
28:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:38:23.58 ID:cO+HlQy0o


    -04


以下略 AAS



29:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:38:55.17 ID:cO+HlQy0o

 美穂さんがプロデューサーさんのことを親愛ではなく、恋愛として好意的に想っているということを、なんとなく察していました。もちろんそれは本人から聞いたわけではないですが、見ればすぐにわかります。わかりやすいですから。
 気付かないのはきっと、あのにぶちんでデリカシーのないプロデューサーさんだけでしょうね。……なんて、あの人はきっと、気付いていても気付かない振りをしていたのでしょうけれど。
 アイドルとプロデューサーという関係は、それほど複雑で、厄介で、面倒だ。
 だからこれは、きっとそんなに意味のない願いなんでしょう。プロデューサーさんがそういう人間である以上は、何をしたって大きく変わりはしない。
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:39:21.19 ID:cO+HlQy0o


    -05


以下略 AAS



31:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:39:47.72 ID:cO+HlQy0o

 動かないで待っていると、身体が冷え込んでいきます。はあ、と息を吐き出すと、吐き出した息は白く蒸気のようになっていて、まるで真冬の様相です。
 お昼はまだ過ごしやすい気候だったというのに、少し日が暮れるだけでガクッと気温が下がるのは、ちょうどこの時期によくある気候ではあります。
 しかし、十一月でこの気温ではこれから先はどれほど寒くなってくるのか、考えるだけでも嫌になります。と言ってもここは過去の時代であり、ワタシが本来過ごすべき時間でも同様の気候であるとは限らないんですけれど。温暖化してくれてるといいなあ、なんて思います。
 モコモコとしたダッフルコートにミトン手袋、少し攻めた丈の短いスカートの下には白色のタイツという、これで見惚れなければそれは嘘だというほどに愛らしい美穂さんを見れるので、とても良い季節ではあると思いますけどね。
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:40:30.55 ID:cO+HlQy0o

「ふぇぷしゅっ。うう……なんだか今日はすっごく寒いね、幸子ちゃん」

「くしゃみまで可愛いとか最強ですか」

以下略 AAS



33:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:41:02.60 ID:cO+HlQy0o

 これがワタシの、今ここに来ている理由。これ以上はおこがましく、何よりもこれ以上のことをできるわけでもないから、本当に些細な後押しだけです。
 ……こんな言葉だけで、ワタシの素直で些細な思っていることを伝えるだけで大きく美穂さんの中で何かが変わるなんて思い上がれませんが、それでも。
 美穂さん、ワタシは貴女が後悔をしませんようにと、願っています。

以下略 AAS



34:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:41:43.78 ID:cO+HlQy0o


    +05


以下略 AAS



35:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:42:44.26 ID:cO+HlQy0o
 カワイイボクにふさわしいカワイイ仕事だと言われると迷わず引き受けては何度もとんでもない目に合ってはきましたが、それでも違う……はずです。
 となると未来のボクは一体何をしたのか。どんなことをしてそんな評価をされるようになったのか、正直に言えば気になります。飛鳥さんはそのあたりのことは教えてはくれませんでした。
 未来のことはあまり知りすぎないほうがいい、そういうことらしいです。


36:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:43:18.29 ID:cO+HlQy0o

 見慣れないこじんまりとしたマンションに帰宅したボクは、階段の途中でたそがれるように天井を見上げた。無機質でざらざらなアスファルトの壁が黙ったままボクを見下ろしているだけです。
 長く伸びた髪が頭を重たく後ろへと引っ張りバランスを崩しかける。その重たさは五年という月日の重さのようで。
 時間の重みを物理的に感じられるように伸ばしているのかもしれないです。
 もちろん未来のボクと十四歳であるこのボクは同一人物であると同時に、まるで別人のようなものでもあるので、自分のことだとしても何を考えているかなんて全然わかりませんけれど。
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:44:32.02 ID:cO+HlQy0o



 帰宅後、ご飯が出来ているということはなく、お風呂という選択肢があったというわけでもなく、ボクと美穂さんは近くのスーパーに食材を買いに来ていました。
 そう言えば出かける前に、早く帰宅できるなら買い物に一緒に行こうと言っていましたし、ボクの妄想はまったく的外れなものだったようです。
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:45:06.52 ID:cO+HlQy0o

「ステーキでも焼き肉でもすき焼きでも好きなものなんでもいいよ!」

「お肉への偏りが凄いですね!」

以下略 AAS



39:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:46:03.49 ID:cO+HlQy0o

 飛鳥さんだけではなく美穂さんにまで言われるとなると、五年経ってもボクはボクのままだったのでしょう。いえ、確かにボクは既に完璧ですし、世界一カワイイので、成長していなかったとしても特に問題があるわけではないですが。
 変わらないといけないことと、変わらなくても良いこと。そういう微妙なものなんでしょうし、すべてをマイナスに捉える必要はないのでしょう。飛鳥さんだって良い意味でと言ってましたし。

 なんてことをボクが思っていると、美穂さんはくすりと小さく微笑んでから、「でもね」、と言葉を繋げました。
以下略 AAS



40:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:47:05.80 ID:cO+HlQy0o


    +06


以下略 AAS



41:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:47:43.39 ID:cO+HlQy0o

 横並びにされた布団に寝転がって、目を開けて天井を見上げた。相変わらず見慣れない天井です。隣の布団では美穂さんが同じように寝転がっていて、川の字ならぬ二の字を縦にした状態だ。
 どうにも寝慣れない布団と枕、環境でなかなか寝つくことが叶わず、ただ闇雲に暗い天井を見つめていると、ごそごそと寝返りを打つ音が聞こえてきました。
 そっと身体を横に転がすと、隣の美穂さんが、こちらを見ていました。

以下略 AAS



42:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:48:27.65 ID:cO+HlQy0o

「少し遅くまで起きて美穂さんの寝顔を見ようと思っていたんですよ」

「幸子ちゃん、変態さんっぽい……」

以下略 AAS



43:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:49:02.93 ID:cO+HlQy0o

「さて、なんだか眠たくなってきましたから、寝ましょうか」

「ふふ、寝つけそうでよかった。おやすみなさい、幸子ちゃん」

以下略 AAS



44:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:49:52.07 ID:cO+HlQy0o


    エピローグ─十四歳─


以下略 AAS



45:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:50:23.09 ID:cO+HlQy0o


    エピローグ─十九歳─


以下略 AAS



46:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:50:49.59 ID:cO+HlQy0o
おわり


47:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:52:29.80 ID:cO+HlQy0o
みほさち派とこひさち派どっちが多いんだろう。
皆さん良いお年を。


48:名無しNIPPER[sage]
2018/01/02(火) 03:28:38.24 ID:QbYCr+h2O



48Res/54.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice